2000

創立50周年を迎えた西上経営組合 土地のポテンシャル引き出し経営基盤磨き上げ

2026年09月18日
     
菅原謙二さん
半世紀の歴史を刻む中で編纂された記念誌
No items found.

 鹿追町に拠点を置く (農)西上経営組合が、創立50周年の大きな節目を迎えた。半世紀の歴史を刻む中で編纂(へんさん)された記念誌には、地域の農地を守り抜きながら、組織として進化を重ねてきた歩みが克明に記されている。


 同法人が営農を展開する農

 鹿追町に拠点を置く (農)西上経営組合が、創立50周年の大きな節目を迎えた。半世紀の歴史を刻む中で編纂(へんさん)された記念誌には、地域の農地を守り抜きながら、組織として進化を重ねてきた歩みが克明に記されている。


 同法人が営農を展開する農地は現在、約300㌶。自社所有地と、地域住民や法人OBから託された借入地を効率的に組み合わせ、地域農業の受け皿としての役割を果たしている。


 作付けの主軸は小麦、種子バレイショ、テンサイ、大豆、ソバ、キャベツなど。過去には観光農園やイチゴ栽培、果樹、水耕栽培、飲食店の直営といった6次産業化の取り組みにも積極的に挑戦してきた。


 同法人の強みは単に事業を拡大することだけではない。経営判断におけるスローガンとして掲げているのが「切る・改める・加える」の三原則だ。


 「切る」決断は、日頃の徹底した収支計算と人的資源の再配置から導き出される。人件費や労力、繁忙期の負荷を考慮し、採算がとれなくなった観光事業などは、思い切りよく撤退を決断してきた。


 一方で「改める」「加える」の視点も欠かさない。小麦の後作の一部で生産したダイコンを切り干し大根に加工することで、冬季の作業を確保するほか、春まき小麦の導入や、試験的なコメの栽培など、次の可能性に向けた挑戦を続けている。


 同法人の役員や組合員の推移を振り返ると、そこには血縁関係や世代の交代、そして時代に応じた柔軟な組織運営が見て取れる。


 現在、同法人の組合員戸数は8戸。そのうちの6戸は法人設立前に地域で農業を営んでいた農家だが、注目すべきは非農家出身者の存在だ。専務理事を務める奥村一馬さん(48)は、奈良県の非農家出身。従業員として入社した後、現場で実績を積み重ね、役員へと昇格した。「季節雇用者から組合員・役員へ」というステップアップ構造は、まさに一般的な会社と同等のキャリアパスを農業法人の枠組みの中で実現している例といえる。


 組合長を務める菅原謙二さん(51)は、「土地利用型農業として、土地が持つポテンシャルを最大限に引き出すことがすべて。それが売り上げになり、組合員と従業員の生活の豊かさにつなげてきた」とした上で「5年先、10年先のビジョンを常に語り合いながら、外部からも羨(うらや)ましいと思われる健全な組織をめざしたい」と語る。

有料会員に登録すると会員限定の有料記事もお読みいただけます