量より価値の農業へ転換 瀬戸内市・石黒農園

2026年08月14日
     
石黒さんファミリー
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 瀬戸内市ののどかな田園風景の中に、家族で営む石黒農園がある。石黒吉浩さん・まきさん夫妻を中心に、まきさんの母・五月さんが相談役として支える農園で、トマト、米、蜂蜜を生産しながら「量より価値」を届ける農業へと転換を進めている。


 同農園はかつ

 瀬戸内市ののどかな田園風景の中に、家族で営む石黒農園がある。石黒吉浩さん・まきさん夫妻を中心に、まきさんの母・五月さんが相談役として支える農園で、トマト、米、蜂蜜を生産しながら「量より価値」を届ける農業へと転換を進めている。


 同農園はかつて4棟のハウスでミニトマトを大量出荷していた。しかしコロナ禍による学校給食向け需要の減少や燃料や資材の高騰、市場価格の下落が重なり、大量生産型の経営は見直しを迫られた。現在は1棟に縮小し、生協など自ら価格を提案できる販路へ切り替えた。「石黒農園のトマト」として価値を認めてもらえる規模へ適正化した形だ。


 一方で存在感を増しているのが養蜂だ。農園の養蜂は51年前、米づくりの緑肥としてレンゲを栽培したことが始まり。レンゲ、桜、クローバー、百花蜜などを季節ごとに採蜜し、近年は一切加熱しない非加熱蜂蜜に力を入れる。香りや風味が際立つ味わいが口コミで広がり、人気商品となった。


 今年は新たな挑戦として、桜の開花後に採れる春の山の蜜を「どんぐり」と名付けて販売を開始。山に咲く多様な植物の蜜や甘露蜜が含まれる可能性があり、その年ならではの山の恵みを楽しめる商品として注目される。


 採蜜と田植えが重なる春が1年で最も忙しいが、吉浩さんは「忙しいことが良いことではない」と働き方を見直し、夕方には仕事を終え家族で食卓を囲む時間を大切にする。「家族との時間も大切にする農業」という価値観が農園の根底にある。


 今後は電話注文が中心の蜂蜜販売を、ネットショップでも利用できるよう整備を進める方針だ。

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