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【薬用植物で中山間を活性化①】甲佐町・宮内地区山椒生産組合

2026年06月26日
     
2016年豪雨災害後に植えられ、収穫できるまでに成長したブドウ山椒の前に立つ佐藤さん
夏の収穫を待つ鈴なりに実ったブドウ山椒
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 2016年4月の熊本地震、続く同年6月の豪雨災害により、甚大な被害を受けた甲佐町宮内地区。高齢化が進む中山間地域で、米作りなどの営農継続は困難を極めた。

 新たな作物への転換を模索した、佐藤直樹さん(45)は、「今、何が足りないのか」と全国

 2016年4月の熊本地震、続く同年6月の豪雨災害により、甚大な被害を受けた甲佐町宮内地区。高齢化が進む中山間地域で、米作りなどの営農継続は困難を極めた。

 新たな作物への転換を模索した、佐藤直樹さん(45)は、「今、何が足りないのか」と全国の卸売市場に電話で尋ねた。京都の市場から「ブドウ(さん) (しょう)が不足している」との声を得て、「山椒は、利用範囲も広くビジネスとして成り立つ」と確信。すぐに、全国の種苗会社から苗木を確保し、生産に着手した。19年には宮内地区山椒生産組合(田上菊夫組合長)が発足し、約20人で本格栽培を始めた。

 緑川流域にある同地区は、約300人が暮らす高齢地域。古くからウナギやタケノコの食文化とともに庭先に山椒を植える習慣があった。山椒は軽量で扱いやすく、高齢者にも適した作物とされ、鳥獣被害も少ない。

 当初は、食品用として栽培していたが、生薬としての利用価値に着目。一般市場は需要や価格の変動がある一方、生薬分野は安定かつ拡大傾向にある。23年11月、同組合は㈱ツムラと町と連携協定を締結し、産地化を本格化させた。

 苗の貸与や農薬提供、栽培マニュアルの整備により、初心者でも取り組みやすい体制を構築。現在は他の薬用植物も増やし、中山間地から平地まで対応可能な特用作物として確立しつつある。また、廃校となった小学校を活用して加工を内製化し、地域内で雇用も創出。山椒は半日陰でも育ち、狭い面積で栽培できるほか、収穫期が真夏のため、柿や栗など秋作物との作業分散にもなる。今では、緑川流域の市町村へと栽培が広がっている。

 一方、苗木の全国的な不足が課題となっており、現在、町内の樹芸業者が生産に取り組んでいる。

 佐藤さんは「山椒による事業の骨格はできた。今後は周辺自治体も含めた産地化をめざす」と話し、「甲佐町を『生薬の町』にしたい」と展望を語る。

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