令和8年熊本地震、農家の現場から 農業委員会会長・会長職務代理者に聞く
氷川町農業委員会 永田裕二会長井副陽子会長職務代理者
「水と電気が途絶え、収量など営農計画は半減。先の計画も立たない」と語る氷川町農業委員会の井副陽子会長職務代理者。自宅は全壊し、車や農業機械も損壊。農作業のため自宅から離れられず、敷地内で
氷川町農業委員会 永田裕二会長井副陽子会長職務代理者
「水と電気が途絶え、収量など営農計画は半減。先の計画も立たない」と語る氷川町農業委員会の井副陽子会長職務代理者。自宅は全壊し、車や農業機械も損壊。農作業のため自宅から離れられず、敷地内で軒先避難を続けている。
水稲や葉タバコ、キャベツなどの複合経営。地震発生時に乾燥中だった葉タバコは、停電で乾燥が不十分で廃棄となり、出荷量は例年より3割減少した。また、早期米の圃場には地震による断層が広がり、縦横・上下に大きくずれた。被災した農道は町の緊急修復で通行可能になったが、圃場内では断層にアルミブリッジを渡し、稲刈り用コンバインで作業した。
排水路や集水桝、畦も広範囲で被災し、優良農地の給水機能が作物の生育期に停止した。少雨も重なり、キャベツの苗づくりに影響。今年は早期米後の普通米を飼料稲に転換した。
「次期作に向け、できることに注力するしかない」と井副会長職務代理者は語る。
震度7に襲われ、町では家屋の3割が半壊以上と認定。今後、復旧・復興が進められる。町農業委員会の永田裕二会長は「離農する農家も予想されるが、農地を活かし、規模拡大をめざす人たちなどへ、適正な農地のあっせん・売買などのサポートに努めたい」と力を込めた。
美里町農業委員会 長木一美会長職務代理者
美里町農業委員会の長木一美会長職務代理者は、地震発生時、宇城市に外出していた。高台の自宅が心配で急ぎ帰路についたが、国道は通行不能。普段20分の道を1時間以上かけて帰宅した。
揺れは10年前の地震よりはるかに大きく、自宅の地盤が沈下。多くの家電が破損し、仏壇も倒れた。小屋の瓦は落下し、築100年以上の蔵は、壁が崩れ、基礎は大きくずれた。
町では、土手や石垣の崩壊、町道・農道のひび割れ、用水路や畦など、甚大な被害が広範囲に及ぶ。昨年8月の豪雨災害の復旧が完了しない中、地震被害が重なった。
自宅のある白石野集落は、約60戸のうち、現役農家は70~90代の6戸。農家人口の減少と担い手不足が深刻で、豪雨や地震被害により、耕作の作業性は大きく損なわれている。本格復旧の見通しが立たない中、長木会長職務代理者は「災害復旧が進まないと、次期作に向けた米作りが心配だ」と語った。












