有機ベリー5㌶ 手作業で紡ぐ日本の味 帯広市・ときいろファーム


帯広市の中心部から南に30㌔、日高山脈を望む5㌶の農地を舞台に、無農薬・有機栽培のベリー農園「ときいろファーム」を展開する鴇崎伊吹さん(59)と姿名子さん(57)。さまざまな職業を経験した道外出身の2人が、農園を引き継いで新規
帯広市の中心部から南に30㌔、日高山脈を望む5㌶の農地を舞台に、無農薬・有機栽培のベリー農園「ときいろファーム」を展開する鴇崎伊吹さん(59)と姿名子さん(57)。さまざまな職業を経験した道外出身の2人が、農園を引き継いで新規就農を果たしたのは、2010年だった。
就農当初は3人の子どもとの生計を支えるため、黒豆やカボチャ、スイートコーン、アスパラガス、トマトなどの野菜栽培にも挑んだ。しかし、化学肥料に頼らない自然栽培のアスパラガスは、市場が求める「パンチのある味」とのギャップがあることに加え、野菜とベリーの作業が重なるなど多忙を極めた。
試行錯誤を重ねる中でベリーの栽培方法や販路を確立。現在は一切の野菜作りをやめ、ベリー類1本に経営をシフト。主力のラズベリーをはじめハスカップ、ブルーベリー、カシス、シーベリー、ヤマブドウなど、試験栽培を含めて10種類を育てている。9品種に及ぶラズベリーの生産量が国内トップクラスとなったこともあるという。
北海道の冷涼な気候でさえ、ベリー類にとっては高温多湿だ。雨よけハウスを設置して細やかな管理を行うほか、枝を傷つけないよう手作業で草を刈る。「毎年5月から7月まで、毎日続く大変な作業」(伊吹さん)だが、2人に妥協はない。
国内で流通するラズベリーの99%が海外産。国産である強みを背景に、生産から加工、販売までを一貫して行う。加工品の主力は農家らしさを前面に出した濃厚なスムージーだ。販路はインターネット販売が4割を占め、残りは伊吹さん自身が全国を巡る百貨店の北海道物産展や、キッチンカーでの直販が担う。近年は地域おこしも兼ねて帯広畜産大学の学生アルバイトを募り、多忙な収穫期を乗り切っている。
一方、無農薬・有機を貫くために、土壌分析にも余念がない。「もがいている状況だよ」と笑う伊吹さんだが、その目はさらなる品質向上を見据えている。








