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【農業の伴走者㉗】関根農園・新潟市江南区江口 有機栽培で地域に新しい息吹を

2026年04月24日
     
講座は座学と土作りに始まり、畝立て、定植、収穫へと続く。「収穫が楽しみ」との声が上がる
関根さん夫妻(中央後列)、大室さん(中央前列左)、本田さん(左端)
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 阿賀野川のほとり、江戸時代からの歴史を持つ江口から未利用の農地が姿を消した。新規就農した関根孝志さん、真紀さん夫妻が営む関根農園が、有機栽培を地域に拡大している。3月28日に開催された「じゃがいもを有機栽培してみよう!」でも女性や子どもた

 阿賀野川のほとり、江戸時代からの歴史を持つ江口から未利用の農地が姿を消した。新規就農した関根孝志さん、真紀さん夫妻が営む関根農園が、有機栽培を地域に拡大している。3月28日に開催された「じゃがいもを有機栽培してみよう!」でも女性や子どもたちが畑に入り、土に触れて育てる喜びを体験。畑が息を吹き返した。


◎35品目を有機で栽培

 講座開催のきっかけは、身近なふたりからの相談だった。ひとりは、同園で働く大室紀子さん。自給自足に興味のあるアマチュアが集まった「新潟農業部」の代表でもある。もうひとりは、同園が野菜を提供する保育園の栄養士。その方が参加する「新潟オーガニック給食推進協会」代表の本田響子さんから、「有機栽培を体験したい」と声が上がる。そこから全4回の食育プログラムが実現した。

 関根さん夫妻は、もとは会社員だ。まず、真紀さんが家庭菜園を始めようと農業委員会に問い合わせ、江口を紹介された。

 2019年に全国的な栄養価コンテストでルッコラが受賞。その後もカブ、ミニトマト、ズッキーニで最優秀賞を受賞。野菜バイヤーから問い合わせが来るようになり、会社を辞めて就農した。約20㌃から始まった畑は地域の農家の支援もあって、今では約248㌃まで広がり、有機で35品目を栽培する。


◎「女性への配慮」から生まれた驚きの効率化

 畑は夫妻と女性アルバイト8人で管理。午前7時から12時まで働いて、午後はお休みだ。包装は障害者就労支援事業所に委託している。初年度から黒字という経営の特徴は「プル生産」だ。バイヤーの要望に合わせて栽培計画を立て、出荷する。

 関根さん夫妻が有機栽培を選んだ理由は、働く女性たちへの配慮だった。「農薬を使うとその指導が必要だし、万が一事故が起きたら責任が持てない」。結果的に慣行栽培より手間が減った。孝志さんが学んだBLOF理論で作った野菜は病害虫に強く雑草が生えにくい設計が可能。除草や防虫も驚くほど作業が少なく、「データ解析や計画を立てることが好きな人には向いている」と言う。同園ではアレルギー性が低く、栄養価が高くなるよう野菜をデザインしている。

 「有機栽培で多くの人とつながった」という関根さん夫妻。全国の仲間たちと現在、「日本有機農業協同組合(JOAC)」の立ち上げを進めている。江口が有機野菜の産地として名が広がる日も近いかもしれない。

 (写真・文 フリーライター 大平マミ)(おわり)

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