トウモロコシで農業再生 洋酒も熟成中 瀬戸内市・大町



瀬戸内市で、耕作放棄地が地域の新たな資源として再生されつつある。この取り組みを進めるのは食品卸の㈱大町(同市長船町)の秋山創一朗社長(35)だ。高齢化で手が入らなくなった農地を前に、「この土地を未来につなぎたい」と再生に踏み出
瀬戸内市で、耕作放棄地が地域の新たな資源として再生されつつある。この取り組みを進めるのは食品卸の㈱大町(同市長船町)の秋山創一朗社長(35)だ。高齢化で手が入らなくなった農地を前に、「この土地を未来につなぎたい」と再生に踏み出した。
同町は日本刀の産地として知られる一方、近年は高齢化に伴う耕作放棄地の増加が課題となっていた。同社は、2025年から荒れた農地の整備を開始。雑草が生い茂っていた土地を耕し、トウモロコシ栽培をスタートさせた。昨年は約2万本を収穫し「名刀もろこし」として販売した。
収穫量が増える中、余剰分の活用が新たな課題となった。そこで、地元の老舗「宮下酒造」との協働でトウモロコシを原料とするウイスキーづくりが実現。余剰分約8700本で蒸留した原酒「ニューメイク」を製造した。現在は樽で熟成が進められており、29年に「名刀ウイスキー」として発売する計画だ。
荒れた土地は整地や排水改善、土壌改良など地道な作業を経て、再び作物を育てられる畑へと変わった。現在はトウモロコシの他、米やタマネギも栽培。作物の多様化により、土地の持続的な活用を進めている。
また、再生した畑は子どもたちの学びの場にもなっている。地元の小学生を招いた収穫体験を実施し、農業の現場に触れる機会を提供。マルシェも予定されており、にぎわいも創出している。
秋山さんは「耕作放棄地を再び人が関わる土地に戻し、農産物の価値を高めることで地域の活力につなげたい」と語る。完成される一本のボトルには、耕作放棄地の再生から始まる地域の物語が宿っている。








