夫婦二人三脚で挑む経営 恵庭市・赤川篤志さん・茜さん


好天のもと、青々と広がるレタス畑。恵庭市で就農7年目を迎えた赤川篤志さん(34)と茜さん(33)夫妻の経営が、成長を続けている。
徹底したリスク管理とニーズに応じた販売戦略、そして、今年から本格化した二人三脚の体制が経営を支えている。
篤
好天のもと、青々と広がるレタス畑。恵庭市で就農7年目を迎えた赤川篤志さん(34)と茜さん(33)夫妻の経営が、成長を続けている。
徹底したリスク管理とニーズに応じた販売戦略、そして、今年から本格化した二人三脚の体制が経営を支えている。
篤志さんは大学卒業後、若手育成と独立支援で知られる長野県の農業法人に就職した。「祖父の働く姿を見て、農業に憧れていた」ことが原点だ。そこでレタス栽培の基礎と組織的な経営を3年間学んだ後に帰郷。(公財)道央農業振興公社(恵庭市)での研修を経て、2020年、親類の耕作地の一部、3㌶を譲り受けて念願の就農を果たした。
1年目は順調な滑り出しだったが、2年目にレタスの価格暴落に直面する。「市場頼みでは価格に振り回され、作ったものが無駄になってしまう」。この苦い経験から、篤志さんは卸売業者や実需者との「契約販売」へ舵を切った。
現在の作付面積は10㌶。主力のレタスに加えて、キャベツやパクチーなど経営の多角化をすすめている。レタスは2月下旬から8月末まで、短い時には3日おきに種をまき、10月末まで絶え間なく出荷を続ける緻密な「リレー栽培」を実践。注文と出荷を絶やさない柔軟で安定した供給体制を構築した。「10ケース欲しい」といった突然の注文にも即座に対応するフットワークの軽さが「赤川ブランド」への信頼となり、今ではオファーが引きも切らない。
経営を拡大してきた一方で、篤志さんのマンパワーは限界に達していた。朝4時から夜遅くまでの現場作業や、パート職員への指示のすべてを1人で背負う日々。「若い今はできても、20年先は無理だ」という悩みを解消したのが、今年3月からの茜さんの本格的な経営参画だ。
茜さんは大学卒業後、札幌市の企業でシステムエンジニアとして11年間勤務し、部下を束ねる立場も経験してきた。激務で仕事が深夜に及ぶこともあったという。「夫の力になりたい、チームでの作業体制を整えたいと考え、退職と就農を決意した」と振り返る。
現在は、注文への対応や職員30人の労務管理など事務全般を担うほか、昨年から本格化した道の駅での直売の統括を担う。前職の経験を生かして、農業の現場で即戦力となっている。直売所から1時間おきに届く売り上げデータを分析し、天気や周囲の出荷状況を確認。篤志さんと昼休みに話し合って、翌日の値付けや出荷数を決める。
「スタッフを育てるためには社会保険などの労務環境の整備が必要で、法人化を視野に入れている。顧客からのニーズに応えきれていない現状を打破したい」と篤志さんは意気込む。その隣で、茜さんは「自分で考えて仕掛けた戦略が、売り上げという結果に直結するのが面白い」と笑顔を見せる。
将来は現場を離れて経営に専念できる体制を築き、65歳で次の世代へバトンを渡す――。明確なライフプランを描きながら、2人の挑戦は続く。








