衆参両院は常任委員会の委員長などを選出した。農林水産委員長には、衆院が今枝宗一郎氏(愛知14区)、参院が船橋利実氏(北海道)が就いた。
翌8日の参院本会議の代表質問では米の安定供給に向け、需要の拡大と供給力の強化に取り組む考えを示した。また、米の価格は生産者の再生産が可能で、消費者にも理解が得られる水準に落ち着いていくことが重要との認識を示し、仮に米価の大幅な下落などで農
臨時国会が召集された5日、高市早苗首相が衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、政権の重要課題を表明した。
最優先課題に位置付けたのが「強い経済の実現」。責任ある積極財政により国内投資を引き出し、雇用と所得を増やし、税収が自然増に向かう「G
利用改善組合とともにマッチング
長井市農業委員会(髙橋剛会長、農業委員17人)では、市内の農地利用の調整を行う各地区の農用地利用改善組合と連携し、農地の集積・集約に取り組んでいる。2026年3月現在の集積率は87・9%と県内トップ。市独自の農地マッチングの仕組みが農地の維持に役立っている。
地域の担い手ら中心に組合構成
「農地の貸し借りで困った時は、農用地利用改善組合へのマッチング依頼で解決できる」という信頼感が、農地の出し手と受け手をつないでいる。
同組合は、1970年に全国で始まった農用地流動化事業がきっかけで設立。農地の利用を白紙委任で担い手につなげる取り組みだった。当時、農業委員で後に会長となる勝見幸喜氏が仕組みづくりに大きな功績を残した。市独自の「農用地流動化奨励補助事業」も創設され、農地の流動化が進んだ。市内では54の組合が発足し、86年には全農家の意向調査を実施するなど農地の集積・集約や維持・管理に向け、地道な活動を続けてきた。組合は現在26組織。各地区の担い手で構成され、関係団体の役員や農業委員も加わる。
農業委員会が農地の出し手から相談を受けた場合、農業委員会からの依頼により、組合は受け手へのマッチングまでの支援を行う。組合員が集まって条件を調整し、受け手が決まれば農業委員会に結果を報告する。その際、各地区の農業委員もマッチングを確認。最近では、法人化希望の農業者が農地を探す際の話し合いを支援するなど、活動は多岐にわたる。
組合と農業委員会による取り組みを市もバックアップ。農用地流動化奨励補助事業を活用し、農地の利用調整が成立したときには、活動助成金を支給する。集積率向上だけでなく、遊休農地の発生防止にも大きく貢献している。
地域計画の前進へ連携強化
同市では年に1回、「農地利用最適化研修会(組合長会)」を農業委員会主催で開催しており、各組合長が参加。マッチングで注意してほしい事項、流動化奨励補助金の説明、新任の組合長に対しては組織の目的について説明する。今後の農地利用調整活動に役立ててもらうためだ。
組合の仕組みは、地域計画の策定時にも機能を発揮した。各地区の話し合いには、農業委員とともに組合も参加。協議が円滑に進むように協力しており、組合の下地があることで地図を広げた際の話し合いがスムーズに進み、利用調整がしやすくなったという。
髙橋会長は「高齢化による担い手不足、物価高騰などにより農業情勢はますます厳しさを増している。一昔前より農業委員に対して求められるものも大きくなっていると感じる」と現在の情勢を受け止め、「未来志向で地域計画はさらに前進していかなければならず、毎年のブラッシュアップは非常に重要」と語る。
今後の抱負として髙橋会長は「そのために今後欠かせないのが組合とのさらなる連携で、地元の農業委員としても組合の話し合いに積極的に参加するなど活動が円滑に進んでいくよう支えたい」と力を入れた。

耕作放棄地解消し7㌶経営
大阪府八尾市の㈱オオサカポテト(渡邊博文代表取締役、32)が、サツマイモの生産を通じて地域の活性化に取り組んでいる。耕作放棄地の解消、収穫体験の受け入れ、加工品開発など、2023年に15㌃でスタートした取り組みは、今年7㌶まで拡大。「大阪をサツマイモの産地に」を合言葉に、着実に歩みを進めている。
収穫体験に毎年1千人
「都市住民が農業に触れる機会を提供しつつ、増え続ける耕作放棄地も解消したい」――。渡邊さんが脱サラして就農したのは、そんな思いからだった。サツマイモを選んだのは、土地利用型の大規模生産が可能で、収穫体験にも向くため。品種には特定の産地のイメージがついていないシルクスイートを選んだ。
時には再生作業に50万円以上かかる農地も引き受けながら、徐々に栽培面積を拡大。就農時は15㌃だった畑は現在7㌶まで増え、年間200㌧を生産する。サツマイモは「夢シルク」と名付けてブランド化。広告代理店時代に培った営業力で地元スーパーを中心に売り込み、今では府内の約300店舗で夢シルクが並ぶ。「3割ほど出てしまう規格外品をうまくさばかなければ経営は安定しない」と加工品開発にも力を入れ、芋けんぴや芋ペースト、芋焼酎なども販売する。
就農1年目から始めたサツマイモの収穫体験も好評だ。9月から11月にかけて土日を中心に開催し、平日は保育園や幼稚園の子どもたちを招待する。初年度から毎年1千人近くを受け入れているが「まだまだニーズに追いついていない状況。経営体制を整えた上で、規模拡大していきたい」と渡邊さんは話す。
誰もが農業とつながれる社会へ
サツマイモの生産や加工、販売など、オオサカポテトの活動には多くの人が関わっているが、同社の社員は渡邊さんただ一人。社員として雇うのではなく、業務委託の形をとっているためだ。渡邊さんは「雇用すると、どうしても時間で縛ることになってしまう。業務委託なら好きな時間に仕事ができ、受ける仕事の量も調節できる。多くの人に活動に携わってもらうことを考えた中で行き着いた形」と説明する。
同社からの業務委託を主な収入源としているメンバーは現在6人。期間スタッフなども含めると50人ほどが同社の活動を支えている。ボランティアとして活動に参加する人も多く、そこから業務委託へ発展するケースも少なくない。自身が就農当初に苦労した経験から、就農への足掛かりとなる研修農場のような役割も担っている。
渡邊さんが最終的にめざしているのは「誰もが農業とつながれる社会」をつくること。収穫体験やボランティア、業務委託など、さまざまな形で同社に携われる仕組みをつくっているのもそのためだ。農業の裾野が広がれば、必然的に就農者も増えてくると考えている。渡邊さんは「大阪では今後10年で1千㌶以上の農地が余るといわれている。それを請け負える体制づくりを進めながら、大阪をサツマイモの産地に育てていきたい」と先を見据える。

「ペピーノ」と聞いてどのような姿や味を想像するだろうか。あまりなじみのない人も多いだろう。ペピーノは、南米のアンデス山脈地帯のペルー、エクアドルが原産のナス科の野菜。メロンや洋ナシに似た味と香りが特徴で、皮をむいて生食するのが一般的だ。アミノ酸やビタミンが豊富で、疲労回復や美肌効果のあるアスパラギン酸はレモンの6倍も含まれる。
東京農業大学では2016年から、髙畑健教授を中心に大学戦略プロジェクトとして「ペピーノプロジェクト」を発足。農大ブランド化に向けて栽培技術の研究に取り組んでいる。わが国へは、果物としてニュージーランドから1983年に導入されたが、栽培技術が確立されず、定着しなかった。そこで髙畑教授らは、「未利用生物資源から作物を創造するのも農学の役割」と一念発起。ペピーノ栽培研究の導入の地でもある神奈川県で、おいしい果実を安定生産するための新技術開発が始まった。
これまでの国産ペピーノは糖度が6%程度と低く、栽培が軌道に乗らなかった。そのため、普及させるには実の高糖度化が求められた。そこでトマトの高糖度化技術をヒントに「リング処理」を開発した。リング処理は、穴が直径4㍉程度のワッシャーに挿し穂を通して挿し芽をするもの。誰でも簡単に高糖度なペピーノを栽培できるように、資材はホームセンターなどでも売られているものを使った。この処理で茎の一部の肥大を抑制。根の成長が阻害され根量が減少し吸水が抑えられ、実の果汁が濃縮。糖度10%以上の高糖度果実が収穫できた。この栽培方法は、根量減少植物栽培方法として特許も取得している。
研究では、ペピーノがトマトのかかりやすい青枯病や萎凋病に強い抵抗性を持つことも確認。ペピーノとトマトは接ぎ木の親和性も高く、ペピーノを台木にしたトマト栽培の研究も進んでいる。
今後の課題は害虫対策という。手間のかからない栽培方法やリング処理の不要な新品種の育成などの研究も進める方針だ。
髙畑教授は、同県厚木市などとペピーノを市の特産品にする活動にも取り組む。「ペピーノの存在を多くの人に知ってもらい、普及していきたい」と熱く語る。


















