除草剤処理によるナガエツルノゲイトウ防除技術~2年の継続で地下部まで防除~








ナガエツルノゲイトウは特定外来生物に指定されている多年生雑草で、2025年12月現在で東北以南の31都府県の河川や水路、水田などに侵入もしくは定着しています。
ナガエツルノゲイトウは水の流れとともに移動し分布を拡大させます。水田に侵入しま
ナガエツルノゲイトウは特定外来生物に指定されている多年生雑草で、2025年12月現在で東北以南の31都府県の河川や水路、水田などに侵入もしくは定着しています。
ナガエツルノゲイトウは水の流れとともに移動し分布を拡大させます。水田に侵入しまん延すると、水稲の減収や収穫作業の阻害などの雑草害を引き起こします。このため、侵入した水田での早期対策と分布拡大防止対策が求められていますが、農研機構などの研究グループが研究を開始するまで水田におけるナガエツルノゲイトウの有効な防除技術はなく、効果的な防除技術の開発が求められてきました。
そこで、同研究グループでは水田におけるナガエツルノゲイトウの防除技術開発に取り組んできました。
ナガエツルノゲイトウは節を含む茎や根、それらの断片からの栄養繁殖によって増殖するため、断片を生じさせずに防除できる除草剤の利用が有効と考え、水稲栽培期間中に使用可能な除草剤18剤の防除効果を評価しました。そして、二つの除草剤の有効成分(ピラクロニル、フロルピラウキシフェンベンジル)がナガエツルノゲイトウに効果があることを明らかにしました。
次に、防除効果が確認された有効成分を含む除草剤の体系処理の防除効果を野外で検証しました。
その結果、各有効成分を含む除草剤2剤の体系処理により、ナガエツルノゲイトウの地上部乾物重を無処理と比べて5%以下に抑制することができ、高い防除効果が示されました。
また、この技術による防除コストは、慣行体系と同等または慣行体系比73%と低コストでした。 さらに、開発した体系処理技術を2年間継続すると、ナガエツルノゲイトウがまん延する水田でも、栄養繁殖し、かつ越冬する地下部まで防除できました。この技術を導入した水田の水稲収量は、慣行体系と差がありませんでした。
本技術を活用することで、まん延水田で手取り除草などの労力・コストをかけずに雑草害を軽減できる上、水路を介した未侵入場所への分布拡大防止が期待されます。
農研機構 植物防疫研究部門 雑草防除研究領域 雑草防除グループ 井原希
◇次回は6月26日付








