2024年度、アライグマによる農作物被害金額は6億円を超えた。トップのシカ(78億円)には遠く及ばないものの、獣類の中では4位にランクイン、00年度からの24年間で被害金額は実に19倍に激増、3位のサルとの差はもうわずかだ。


 アライグマは

 国内外を問わず、本来分布しない地域から侵入した生物は、「外来種」と呼ばれ、これらはもともといた在来種や環境に大小さまざまな影響を及ぼす。在来種を捕食したり、生息・生育環境や食物を奪い合う「競合」や、近縁の在来種と交雑し、自然下では生じ得ない雑種ができたりする「遺伝的かく乱」が起こったり、強い毒などによる人体への影響や、農業や漁業に対し被害を与えたりするものもいる。外来種は、これまで繊細なバランスのもとに成り立ってきた生態系へ影響を与え、生態系以外にも人体や農林水産業まで広く影響を及ぼす。ただし、すべての外来種が悪い影響を及ぼすわけではなく、侵入した環境に大きな影響を与えずに順応する生物もいる。


 外来種の中でも「特定外来生物」は、外来生物法において海外由来の外来種である「外来生物」であり、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれがあるものの中から指定される。2026年5月末時点で、アライグマやヒアリなど、162種類が特定外来生物に指定されている。指定された生物は、①飼育、栽培保管および運搬が原則禁止②輸入の原則禁止③野外へ放つ、植えるおよびまくことが原則禁止④許可を受けて飼養等(飼育、栽培、保管および運搬のこと)をする場合、特定外来生物ごとにあらかじめ定められた特定飼養等施設内のみでしか飼養等ができない――といった厳しい規制がかかる。例えば、特定外来生物を野外で捕まえた場合、生きたまま持って帰ることは運搬に該当し禁止されている。ただし、その場ですぐに放すことは規制の対象とはならない。

 

 特定外来生物は、その影響の大きさから、防除の取り組みや、より効果的、効率的な防除手法の研究がされている種類もいる。外来種被害を予防するためには、入れない・捨てない・(ひろ)げないの外来種予防3原則を心にとめ、私たち一人一人にも適切な対応が求められる。

 東京都大島町(伊豆大島)はシカ科の特定外来生物・キョンの増え過ぎた生息数を減らし、自然生態系への影響を最小限に抑える駆除対策を進める。都環境局は、島民と協力し捕獲を強化して根絶を最終目標に掲げる。

 キョンは、中国南部や台湾原産の小型哺乳類

 北海道電力㈱(札幌市)は、臭いで害獣を寄せ付けない忌避液剤「REPEL(リペル)」=写真=を開発し、4月から販売を始めた。臭いの主成分は、ライオンやトラ、ヒョウなど肉食動物のふんにも含まれるジメチルジスルフィド。実証実験ではエゾシカの出現

 カワダさんは新しい鹿皮紙作りや鹿皮利活用を促進するため、さまざまな用途開発もしている。

 鹿皮紙は、文字を記したり絵を描いたり、封筒や箱を形作るなど、紙のような使い方ができる。さらに、透過性や()()性を活かしたランプシード、熱を加

 ニホンジカ皮でできた羊皮紙「鹿皮紙」をご存じだろうか。鹿の皮を紙状にしたもので、皮が持つ本来の強度を保ちながら、紙のように誰にでも扱うことができる日本で生まれた新素材だ。羊皮紙の伝統製法と日本の皮革技術を融合させて作られている。

 この鹿皮

 農研機構はこのほど、環境DNA(水中や土壌など環境中に存在する生物由来のDNA)分析を用いたアライグマの判別手法を開発した。簡単、迅速に判定できる手法でアライグマの早期捕獲やアライグマに適した被害防止対策が可能になる。分析費用が抑えられ、

 野生鳥獣被害を減らすための具体策として、

①適正な個体群の管理(箱わな、囲いわなによる鳥獣の捕獲・駆除、センサーカメラ、ドローン、AIを活用した鳥獣追跡システムによる出没情報の見える化)

②鳥獣の侵入防止(電気柵などの設置)

③生息環境の管理(

○被害減少は放棄地解消が必須 

 政府は鳥獣被害防止総合対策交付金(農水省・2008年制定)、指定管理鳥獣対策事業交付金(環境省・15年制定)など、時宜に応じて改正しながら各地の鳥獣捕獲や侵入防止対策を支援してきた。また、都道府県でも特定鳥獣

〇駆除するだけでは根本解決にならず


野生鳥獣が活発に活動する季節になった。人との共生について元鹿児島大教授の宮部芳照博士に解説してもらう。(全3回)

 近年、野生鳥獣による被害が拡大している。特に、昨夏からクマの出没が頻繁に報道されているが、ク

 (一社)女性狩猟会里山アップサイクル(和歌山市)では、捕獲された有害鳥獣の毛を有効活用しようと、筆に加工する取り組みを進めている。作った筆は同社が力を入れる小中学校への出前授業に活用。手で触れて動物ごとの毛質の違いを感じてもらったり、絵筆

 捕獲した猪の引き取り、自社での食肉加工処理、ジビエ肉の商品化・販売まで手広く展開する長崎県平戸市の㈱Green(ぐりーん)Peace(ぴーす)平戸ファクトリー(市山宗代表取締役社長)。これらジビエ関連事業を「平戸いのしし NEW GIBI

 「集落を挙げた獣害対策の推進」に取り組む新潟県村上市山北地区越沢自治会。農作物被害が散見されるようになったのは2012年、当時はニホンザルの被害が多発していたものの、主な鳥獣害対策は行っておらず、有害鳥獣捕獲の有資格者もいない中、危機感が

25年度鳥獣対策優良活動表彰 農村振興局長賞・被害防止部門受賞 


 ニホンザルによる農作物などへの被害が多発していた長野県大町市では、22020年度からGPSを導入し、サルの生態の見える化を実施。電気柵とICT大型おりによる戦略的捕獲との併用