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【25年度鳥獣対策優良活動表彰】新潟・村上市山北地区越沢自治会

2026年04月10日
     
電気柵設置の作業中
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 「集落を挙げた獣害対策の推進」に取り組む新潟県村上市山北地区越沢自治会。農作物被害が散見されるようになったのは2012年、当時はニホンザルの被害が多発していたものの、主な鳥獣害対策は行っておらず、有害鳥獣捕獲の有資格者もいない中、危機感が

 「集落を挙げた獣害対策の推進」に取り組む新潟県村上市山北地区越沢自治会。農作物被害が散見されるようになったのは2012年、当時はニホンザルの被害が多発していたものの、主な鳥獣害対策は行っておらず、有害鳥獣捕獲の有資格者もいない中、危機感が募っていた。

 対策の最初の取り組みは、電気柵の設置だった。13年より村上市の「有害鳥獣被害防止対策協議会」の事業を活用し、ニホンザル対策で約3㌔、イノシシ対策では約10㌔の電気柵を張り巡らせ、現在では 集落内の農地のほとんどを電気柵で囲った。16、17年には鳥獣対策を集落全体の問題として共有するため、外部の専門家を招きワークショップを実施。集落環境診断を行い、集落が抱えている課題の把握に努めた。

 その後、イノシシによる水稲被害が多発する中、20年のワークショップ内で「有害鳥獣害対策の地域おこし協力隊を導入しては」との声が上がり、21年から地域おこし協力隊員として神吉能宜(かんきよしなり)さん(37)が赴任。神吉さんは協力隊の任期が終了した現在も集落に定住し、市の集落支援員として捕獲・防除・調整役を担っている。

 集落内グループチャットやICT長距離無線式捕獲パトロールシステムを導入し、罠の見回り作業の負担軽減や作業の効率化に貢献した。このような地域一体となった獣害対策で越沢集落は中山間地域ながら16年から25年にわたり、耕作面積を維持している。

 集落内の鳥獣捕獲の担い手は増え、対策のノウハウを持つ人が増えている一方、課題も残る。電気柵の維持管理に必要な人員不足や、近年の有害鳥獣の個体数の増加と緩衝地帯の減少による集落への進出などだ。高齢化や担い手不足などもあるが、神吉さんは「今後も各種事業を活用し、新しい知見や技術を取り入れ、集落を守るための対策を無理のない形で続けていきたい」と展望を語った。

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