「京都農業経営塾」で若手経営者を支援
京都府農業会議(栗山正隆会長)は、府農業をリードする若手農業経営者を支援するため、府と連携して2018年度から「京都農業経営塾」を開講。卒塾生は各地で活躍している。
〇強み弱み整理し経営理念磨く 実現に向けた道筋も計画化
府農業会議が実施する京都農業経営塾は、1年間に八つの講座と個別相談を受けられる、経営者の育成に特化した塾。コロナ禍による中断もあったが、すでに1期生から7期生まで70人が塾を卒業した。卒塾生は「企業的農業経営者」として府内各地で活躍している。
経営塾の講座は、座学とグループ討論を通じて受講生が自分の強みと弱みを整理し、各自の経営理念を磨き上げる。それとともに、財務管理や労務管理について学び、今後の事業計画を策定するカリキュラムがある。
経営理念の確立に向けては、過去に経験したできごとを何度も振り返り、データを分析。その際の改善策を考え、経営者として進む方向を明確にしていく形で進める。
「農業を通じた社会の幸福の増進をめざす」「社員と家族の幸せを考え、顧客の要望に応える」などの経営理念を決め、その実現に向けた道筋も事業計画に落とし込む。
そのために、自身の生産物の販売先や消費者からの評価、購買者の属性などを把握。販路に応じた生産や雇用による労働力確保を検討し、数年先までの事業計画を組み立てる。
〇卒塾生の多くが各地で活躍 悩み相談しレベルアップも
経営塾には、農業改良普及センターなど関係機関の職員が企画段階から参画し、受講生への声かけから、研修後のフォローまで行っている。塾生は、充実した個別相談を活用して、短期間で経営者としての能力を高め、経営計画を完成させて巣立っていく。
卒塾生の多くは、府の指導農業士や青年農業士、府農業法人経営者会議の役員として府内各地で活躍している。
年1回の「OBの集い」では、新旧の卒塾生が交流し、悩みを相談しあう。さらに、塾で作成した経営計画を発展させてレベルアップした経験を先輩から後輩に伝えるなど、府農業の未来を担う仲間のネットワークとして機能している。
多くの卒塾生が、「自分の経験を後輩に伝えて、みんなに成功してほしい」と願い、知り合いの若手農業者に経営塾の受講を呼びかけている。

農水省の発表によると、日本では主な化学肥料の原料である尿素、リン安(リン酸アンモニウム)、塩化加里(塩化カリウム)は、ほぼ全量を輸入している。輸入の主な相手国は、尿素はマレーシア、リン安は中国、塩化加里はカナダに偏在している。
しかも尿素
愛知県の春日井市農業委員会(松浦成司会長、57)は、2024年度末までに農業委員や農地利用最適化推進委員が参画して地域計画を策定。同市廻間地区をモデル地区にし「地域まるっと中間管理方式」を導入し、一般社団法人に農地を集積・集約した。現在も法人を軸に地域の農業を盛り上げている。
モデル地区で 「まるっと方式」 活用
サボテンで有名な春日井市は、名古屋市の東北部に隣接。交通の利便性が高いことから、都市化が進む。農業の担い手が不足し兼業化、高齢化も進んでおり、農地の管理をどのようにするかが課題となっていた。
春日井市農業委員会は24年度、農業委員・推進委員らが中心になって地域計画を策定。話し合いの中では、「耕作者の高齢化」や「後継者が確保できない」などの声が多く出たという。
同市農業委員会では解決方法を模索し、福井県の先進事例の視察や話し合いの中で、「地域の農地は、地域で守っていかなければいけない」と認識を統一した。
地域計画の基本的な方針は、同市の水田主体の8地区を対象に集落営農組織が核となる法人を設立し農地を集積することになった。多面的機能支払交付金の活用も含めた形で地域住民の参加も促すことで合意した。
計画の実行について、モデル地区に廻間地区が選ばれた。この地区は、1977年に土地改良事業を実施しており17・6㌶に団地化された農地だが、所有者は126人で平均年齢75歳、平均の農地面積は7・2㌃で経営する農業者の高齢化や農地の細分化が目立つ地域だった。中心的な担い手が不在のため、「地域まるっと中間管理方式」を活用。地権者を構成員にした一般社団法人が農地中間管理機構を介して農地を借り受けて経営することができるこの方式が、廻間地区の実情に合致していたからだ。
松浦会長が法人の代表理事になり、2025年4月に「(一社)エースファーム」を設立。農地集積を進め、地域の農地面積の86%となる15㌶を集積した。そのうち法人への集約率は約42%の約7・4㌶だった。
近隣農地も集め営農、後継者確保へ
農地の集約化に当たっては、同法人の役員と市が協力して地権者を一軒ずつ訪問して使用貸借の合意を得たという。
代表理事の松浦会長は、「法人設立のため何度も公証役場に相談に行った」「設立したばかりの法人なので、地権者の理解を得ることに苦労したが、役員が水利組合や土地改良区の役員も務めているので信用を得た」と懐かしみながらも、「役員や市役所の協力で立ち上げができた。ご先祖さまが残していただいた農地を大切に守っていきたい」と話す。
同市では、近隣の地区についても同法人に集約化を進める方針だ。営農することで地域の農地を維持・管理をしていくことはもちろん、多面的機能支払交付金を活用し地域住民との協力で草刈りなどを計画している。
また、効率的な営農で、若手の後継者の確保をめざしていくなど課題解決に意欲的だ。

群馬県の東吾妻町農業委員会(中井毅彦会長、70)は2025年4月から、町の特産作物の在り方や持続可能な農村づくりを検討するための二つのワーキンググループを始動。また、農業委員会などを中心に新規就農の促進にも力を入れる。
同町農業委員会で始まったのは、「農業振興(AGRI)」と「持続可能な農村づくり(LIFE)」のワーキンググループ。農業委員12人と農地利用最適化推進委員18人の全員は、どちらかのグループに所属している。
農業委員会活動の中で、両委員が顔を会わせるのは年3回程度だったこともあり、中井会長の「農業委員と推進委員が連携した活動を行いたい」という想いと、町の農業振興の発展を後押しようと、25年の改選に合わせて動きだした。
ワーキンググループではこれまで、基幹作物であるコンニャクに代わる新たな作物の検討を進めている。土地利用型のコンニャクの生産が減ると遊休農地の増加につながることが課題となっており、その発生防止や解消、解決策などについて検討している。
同町は、23年に農業者の高齢化と担い手不足の解消、新規就農の促進を目的に、「東吾妻町農業担い手受入協議会」を設立した。町・県・農協・農家が連携し、新規就農希望者の支援に取り組んでいる。
同協議会は町農業委員会と連動。今年2月、県内で開催された新規就農相談会へも参加し、7人の就農希望者と面談した。
希望者からは「現役農家と話せてよかった」「農産物の実物展示でイメージしやすかった」などの声が寄せられ、協議会も手ごたえを感じており、今後も力を入れていく方針だ。
多彩な補助を支援
同町では独自の新規就農支援として、「農業機械導入事業補助金」は20万円以上の農業用機械とアタッチメント、農業用運搬機具などの購入に対しての補助などがある。他にも2泊3日の短期滞在で地域や農業を試せる「お試し移住住宅」や、町内の農業情報をまとめた「東吾妻町はじめての就農ガイド」を刊行するなど、新規就農者に有益な情報発信や受け入れる体制整備を進めている。
移住後は空き家バンクで賃貸・売買物件を紹介する仕組みにもなっており、相談窓口と連携してスムーズに移住・営農を開始できる。
23年に就農した堀込智喜さん(52)は「父が耕してきた畑を守りたかった。協議会ができたことでスムーズに就農できると思う。地域の先輩農家や行政の支援を頼りながら、自分らしい農業を見つけてほしい」と語る。町も「住宅・農機への補助は全国でも高水準。受け入れ体制の拡充も検討したい」と話す。
中井会長は、「農地を守ることはもちろん大切だ。その農地を支える農家の暮らしが成り立たなければ意味がない。これからも農業振興と持続可能な農村づくりの検討を行っていきたい」と語った。

戦後80年が経過したが、この期間は、「明治維新から終戦までの期間」(77年間)よりも長くなった。現在の農政、特に農地政策は終戦直後の「農地改革」からスタートした。そして、この「農地改革」でも農地制度の根幹をなしている。
戦後の農政、特に農
学校教育において、農業・農村の教育的な意義や価値に関心が高まっています。特に、農作業や農村生活、農産品加工などの体験を取り入れた学校での教育活動(農業体験学習)は、2009年度の調査では、全国の公立小学校の80.4%で実施されるなど、大き
おいらせ町農業委員会(松林勝智会長、71、農業委員14人、農地利用最適化推進委員5人)では、地域計画のブラッシュアップのため、農業委員が中心となって各地区の集落座談会などで話し合う。そこでは集積・集約化に向け、農地の将来像を共有。また、町とも連携を進め、農地中間管理事業を活用し、一丸となって集積率向上に向けて動いている。
県東部にあるおいらせ町は、ヤマセと呼ばれる太平洋からの冷たい風の影響で気候は冷涼。この気候と奥入瀬川と稲生川からの豊かな水を生かした農業が特徴で、ダイコン、ナガイモなどの畑作や水稲作が盛んな町だ。
農地の集積に当たっては、小学校の学区を基準に管内を五つに分けて地域計画を策定している。地区ごとに60~80%の集積率目標を設定し、中間管理事業の活用や担い手の確保、適地適作化などを行い、2030年度までの目標達成をめざす。
農業委員会では、目標達成に向けて農地の状況確認を徹底する。毎年8~10月、農地パトロールを実施し、遊休農地の発生や違反転用に目を光らせる。パトロール終了後の総会では、再生可能と判断されたいわゆる「緑区分」と、基盤整備事業などの条件整備が必要となるいわゆる「黄区分」の遊休農地の所有者には利用意向調査を実施する。
解消へ向けた指導を徹底する一方、「B分類」と判断された農地については、非農地と判定して差し支えないか、慎重に審議する。非農地判定する場合は速やかに手続きを行い、解消へつなげる。
農業委員はこうした日頃の取り組みのなかで得た情報を持ち寄り、地区ごとの座談会において、中心的な役割を担う。
座談会では、農業従事者の減少問題、基盤整備の要望など、課題や将来のあり方について協議するほか、出し手が縮小意向の農地については、どの担い手が耕作していくかを話し合い、地域計画のブラッシュアップにつなげている。
松林会長は昨年から、地域おこし協力隊員とともに町民を対象とした農業体験イベントを実施している。
きっかけは、隊員が町内で農業に関するイベントの開催を模索していたことを知ったからだ。担い手が年々減るなか、管内170㌶ほどある遊休農地の問題に苦慮していた松林会長は、町民が農業に触れることが担い手確保の第一歩になると考え、自らが主催者となることを決めたのだ。
同イベントでは、豊原地区にある約10㌃の遊休農地を利用し、キャベツやブロッコリーなど野菜の植え付けから収穫までを体験させる。使用される野菜苗は、同町で花きや種苗の販売を展開する㈱パセリー菜(な)が無償で提供。こういった周囲の協力を得て、40人を超える参加者でにぎわい、参加者の中には将来的に就農も考えたいと話す人もいたという。
松林会長は、担い手への集積と並行し遊休農地の解消と農業の魅力を発信していくことも農業委員会の役割であると話し、「ゆくゆくは、参加者が担い手となってもらえれば」と展望を語る。

日本の農業の衰退が叫ばれて久しく、未来は明るいとは言い難い状況が続いています。こうした状況を打開すべく、生産以外の観点から農業・農村の意義や価値を捉え直す動きが進んできました。その一つが「教育」です。
高度経済成長のなかで急激に都市化が進
Q:所有する農地に太陽光発電設備を設置し、設置後もパネルの下は農地として利用していきたいと考えています。この場合、転用許可が必要と聞いたのですが、どのような基準を満たせば許可されるのでしょうか。
A:ご質問のように、所有する農地にいわゆる営農












