大阪府内で活躍する女性の農業委員と農地利用最適化推進委員で構成する「おおさか農業委員会女性協議会」が今年3月、設立された。府内の女性委員の相互研さんや交流、情報交換・共有を通じて資質向上を進めるとともに、多様な経験を生かして活動を強化。地域農業の振興につなげることが目的だ。本年度は、府内38市町村で委員改選を控えており、同協議会での取り組みを通じてさらなる女性登用の促進と、女性委員の活動の活性化が期待される。
【3度の研修会で つながりを構築】
農業委員会への女性参画は、男女共同参画社会の推進に加え、地域農業に多様な視点を取り入れる観点からも重要性が高まっている。国の食料・農業・農村基本計画でも農業委員に占める女性の割合について30%の目標が掲げられている。女性委員の組織化で農委活動の活性化や、さらなる登用促進に結びつくと期待が高まっていた。
こうした情勢を踏まえ、大阪府農業会議では2025年度の事業計画において、女性委員の研修や交流を充実させ、その活動を地域農業の活性化につなげていく方針を位置付けた。
府内の女性委員らを対象に3度の研修会を開催。農業委員会活動についての講演を行ったほか、学識者を助言者に迎えた意見交換、さらに近隣府県の女性委員組織の視察・交流など活動を重ねた。その中で、女性委員同士のつながりを構築し、意見交換などを通じておのおのの活動に活かしていく重要性について認識を深めた。
これらの活動を経て、「おおさか農業委員会女性協議会設立総会」で議決、3月に正式に設立した。同会の趣旨に賛同する農業委員会会長や行政関係者をはじめ、会員となる府内女性委員らが見守る中、会長には熊取町農業委員会の大屋満喜委員を選任。副会長3人を含む理事15人が選任された。
【取り組みの共有の場に 熊取町・大屋満喜委員】
初代会長に就いた大屋委員は、同協議会設立の発起人の1人で、4期にわたり農業委員を務める。息子夫婦と約2・8㌶で営農している。ほぼ毎日自身の農産物を直売所へ出荷する道すがら、担当区域の農地を巡回するなど地域農業・農地の実態にも明るい。
同町農業委員会にもう1人いる女性委員とは、日頃から何かと連絡を取り合える間がらだ。女性委員が複数いることで相談や連携がしやすくなるという実感があるという。
また、青年層の農業委員についても今後は複数人単位での登用を進める必要があると考えている。
同協議会については、「地域ごとの課題や優れた取り組みを学び合う重要な場になる。女性委員同士で共有する機会を多く持ち、それぞれの地域での日々の活動に活かしていきたい」と意欲を示す。
同協議会では今後、こうした交流や研修などで女性委員の活動の活性化を進めるとともに、府内でのさらなる女性登用の促進を後押ししていくことが期待される。

⑴農地改革は、不在地主の全小作地と、在村地主の1㌶(北海道は4㌶)を超える小作地を国が買収する。自作地であっても3㌶(北海道は12㌶)以上は、国が買収する。この大がかりな改革は、1947年(昭和22)3月にスタート、驚くほどのスピードで進
前回、野立ての太陽光発電は、「農地を農地以外のものにする」という話をした。現在は、「農地を農地のまま」で発電する「営農型太陽光発電」という方法がある。これは「農地に簡易な構造で、かつ、容易に撤去できる支柱を立てて、一時的に農地を農地以外の
津市では「令和版営農会議」を開き、農業関係者を集め、現場の生の声を共有している。津市農業委員会(喜多義幸会長、81、農業委員24人、農地利用最適化推進委員86人)もその一員として関係者と顔の見える関係を作り、解決策を検討している。
三重県の県庁所在地・津市は、2026年に2市6町2村が合併。面積は東京23区とほぼ同じ711平方㌔あり、県内最大の面積を誇る。広域化で、従来に比べて行政やJAなど関係機関の横の連携の希薄化や農村現場の生の声が聞こえづらくなるなどの課題も出ていた。市は19年から、農業関係者が農村現場の課題や解決策を検討するため、「令和版営農会議」を開催。津市農業委員会も参画する同会議は、内容が新たな農業施策に反映されるなど成果を上げる。
同会議のきっかけは、前葉泰幸市長との地域懇談会の場で、参加した推進委員からの「県や市はもちろん関係する団体や機関が一堂に会して話し合う場を設けてはどうか」の一言だった。この言葉が前葉市長を動かし、組織の枠を超えて地域の課題に向き合う場として同会議がスタートした。
会議は、地域性を考え市内12カ所で年2回開く。参加するのは市農林水産政策課、JA、県の農業改良普及センター、担当地域の農業委員・推進委員。話題は、獣害や担い手対策、小区画農地での営農条件悪化など、平場から中山間まで地域が抱える課題についてだ。農業委員・推進委員が日ごろの現場活動で得た情報を会議の場で共有し、解決に向け議論を深めてきた。
この結果、24年度には「耕作条件不利農地借受奨励金」や「小規模機械導入支援」など、①耕作放棄の防止②持続的な営農体制の強化③獣害・虫害から農地を守る――の三つのテーマ別に、農家を支える七つの支援策で構成する市独自の「営農継続支援事業」が創設された。
また、同会議が現場で今何が必要かに重点を置いて議論することに対し、農業委員会では、将来の市農業振興に必要なことは何かについて議論する「地域別事業推進会議」も開いている。
委員の任期3年間に合わせ、1年目は各地域の将来に向けての課題取りまとめ、2年目は市へ取りまとめた意見提出、3年目は提出した意見の政策などへの反映状況の検証などを行っている。
同市農業委員会では、「引き続き農村現場の声を委員が取りまとめ、地域の実情に即した営農の継続と農地利用の最適化に取り組んでいく」としている。

Q:先日、父が亡くなり農地を相続したのですが、私は他県で仕事をしているため、相続した農地を耕作することができません。最近、相続した土地を国に引き取ってもらう制度ができたと聞きましたが、農地もこの制度を活用できるのでしょうか。
A:相続された土
全国的には希少の部類に入るであろう都市農業の「聖地」と自分では思っている東京都多摩地域で弁護士をやっている。幸せなことに立川市の農業委員もやらせていただいている。農業者でもなく、団体推薦でもなく、ただ公募に応募して農業委員を拝命したのは3
埼玉県比企地域の女性農業委員・農地利用最適化推進委員で構成される「比企地域女性農業委員・農地利用最適化推進委員連絡会」。改選を迎える農業委員会の市町村長と農業委員会会長を訪問し、女性委員の登用を求める活動を展開。会員の女性委員は連絡会で経験を積み、農業委員会活動を活性化させている。
農業委員会の女性の登用は、農業委員会の男女共同参画を促進するための重要な施策だ。2025年に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」でも、農業委員の女性割合を23年度の14%から30年度までに30%にするKPIを掲げている。
同連絡会は04年4月に比企地域の女性農業委員10人で発足。当時は同地域の9市町村のうち女性農業委員がいるのはわずか5町だった。立ち上げメンバーの小井川敏子さんは「手探りの状態だったが、仲間の輪を広げるために前向きに意見を出し合った」と振り返る。
連絡会は、農業委員としての資質向上のため、農業関連組織や施設の視察、情報交換を密に行った。また毎年の活動実績を各地の農業委員会会長らに書面で報告し、女性農業委員を増やすための支援を呼び掛けてきた。
この取り組みは女性農業委員登用の推進活動として、農業委員・推進委員が任期満了を迎える市町村の首長らに直接要請する活動に発展。26年度現在、同地域内8市町村で合計19人の女性委員が在職している。地域の女性農業委員は全体の2割に向上し、2市町では3割を超える。
山田富子農業委員は「横のつながりを大切に、みんなで楽しみながら続けた結果。サポートしてくれた人たちにも感謝したい」と笑顔で話す。
同地域では、女性委員の発案により農地集積を促進した事例も多い。
飛び地の田畑が多く作業効率が悪いことに課題を感じた委員が、地域住民へのアンケートを実施。意向を反映させた農地集積案を策定して、農地中間管理事業の活用につなげた例もある。集積につなげた久保田節子農業委員は「『このままではいけない ! 』という想いで動くことが大切。会の仲間と事例共有して、それぞれの活動につなげている」という。
同会の会長は1年ごとに交代する。会に参加する多くの女性委員がリーダーとしてスキルアップする機会になっている。地域内には女性が農業委員会会長を務めるところが2市町あるなど、経験を重ねた委員が女性活躍のモデルを示している。
同連絡会は昨年度、「農山漁村女性活躍表彰」(主催・農山漁村男女共同参画推進協議会)の「女性登用・組織参画部門」で農林水産大臣賞を受賞した。同年に会長を務めた杉田京子農業委員は「地域の声と丁寧に向き合い、課題解決に尽力したい」と先を見据える。

東京都農業会議が東京都農業施策について意見書を決議した時点では中東での戦争は始まっていなかったが、意見書の1の⑴は肥料・飼料・資機材・燃料の価格高騰に対する支援策の強化だった。
その後に中東戦争が始まり、農家は、資機材について6月からの2
本連載では、これまで学校教育を中心に農業体験学習の現状を紹介してきました。そのなかでは、農業体験学習の将来について必ずしも明るい見通しではない話題も多かったかと思います。
さらに、今後の教育改革が大きく影響する可能性があります。2010年
遠野市農業委員会(藤田優一会長、農業委員18人、農地利用最適化推進委員26人)は、11地区の地域計画の検討会に年2回参加し、「白地農地」の解消に取り組む。新規就農者の受け入れなど、地図で情報を共有し関係者から意見を聞く。
集積・集約徹底し白地激減
遠野市は岩手県東南部に位置し、柳田國男の『遠野物語』で知られ、カッパや座敷わらしにまつわる言い伝えが残る「民話の里」。早池峰山など山々に囲まれた遠野盆地では、朝晩の寒暖差が育む農作物が実り、ビールの原材料「ホップ」の生産地でもある。
同市では2025年3月に11地区で地域計画を策定し、将来の受け手が位置付けられていない農地(白地農地)の面積割合が64%であることが判明した。そのため農業委員会では25年から26年にかけた秋と冬の2回、すべての地区でブラッシュアップのための地区検討会を開催した。
農業者延べ164人と農業委員、推進委員延べ64人が参加した検討会では、地域計画をブラッシュアップさせようと関係者で意見を交換。中山間地域等直接支払の協定を結んでいる集落営農組織を担い手として位置付け、改めて圃場整備地区の担い手への集積・集約を徹底することになった。その結果、白地農地の面積割合は48%まで減少した。
検討会を機に地元の理解醸成
26年2月に開催された上郷地区の検討会では、目標地図を広げ、耕作者の確認や農地交換による集約化を検討した。
同地区では地域おこし協力隊の隊員を次世代のホップ農家として育成しようと取り組んでおり、栽培に適した農地を集約化してあっせんするため関係者の意見を聞いた。こうした地域計画の話し合いが、新規就農者・参入者に対する地元の理解醸成にもつながっている。
検討会に参加した農業委員は「まだまだ参加者が少ない。もっと小さい地域単位での話し合いが必要かもしれない。話し合いの結果を地域に浸透させていくことも重要」と語っている。
藤田会長は、「水田1~2㌶規模の70代ががんばっている。リタイアしたとき遊休農地とならないように次世代へ引き継ぐため、常に担い手候補を意識した最適化活動を行い、農業委員会の力を発揮したい」と今後の抱負を語った。
同市では、本年度も2回の地区検討会を予定しており、農地集約アプリを活用したマッチング方法も取り入れるなど、若手農業者が気軽に参加できる検討会を企画している。

長崎県松浦市農業委員会(佐々木龍二会長、73、農業委員19人、農地利用最適化推進委員18人)は、2024年度から所有者不明農地対策について能動的な取り組みをスタートさせた。現在は地域計画のブラッシュアップに向けて中心的役割を担い、農地集積を推進している。
報告書通じ各申請を支援、委員はすべての案件関与
松浦市では、農地の貸借や売買の相談は農業委員と推進委員を通すことが定着。農地の権利移動や設定事務は、担当した農業委員・推進委員の氏名を記載し提出される「掘り起こし活動実績報告書」からスタートする。農業委員会事務局は、貸借期間満了の5カ月前に出し手と受け手に対して文書で通知し更新などの意向を把握。通知文書には、当該地区担当の委員の連絡先が載る。
委員は、出し手・受け手の意向や賃料などを確認し、作成した報告書を事務局に出すため、すべての農地の貸借などに関与することになる。
市単独予算の「市担い手農地集積促進借り手助成金」の活用もこの報告書を経て申請される。過去5年間の実績は新規・更新合わせて1293件、343㌶と活発だ。
経験活かした所有者不明対策
同市農業委員会では「所有者不明農地制度」の活用も積極的に進める。
農業委員会事務局では、期間満了予定の通知をする際、登記名義人を確認。地権者名が異なる場合、農業者からの相談を待つことなく農地バンクの委託費で農業委員会に設置する推進員2人が相関図を作り、同制度の指導をする。
これは24年に、更新予定の農地が所有者不明農地であることが判明したことがきっかけだった。すでに相関図を作成していたため、すぐに各委員が出し手・受け手の意向確認し公示。円滑な手続きで、同年内に利用権を設定することができたからだ。
それ以降も名義人が異なる場合は事前に探索しており、これまでに5件、1万4412平方㍍の農地を、同制度を活用して利用権を設定する。現在も4件を処理中だ。
14年の農地バンク法が施行された当初からバンクを通じた農地の貸借事務を農業委員会が担当してきたこと、また、すべての貸借などに委員が関与していることで地域の担い手と農地について最も詳しいことが功を奏した。
地域計画集約へ検討進む
また、同市農業委員会では、実行やブラッシュアップなどの地域計画業務を一体的に実施。農業委員会で行うことが効率的と考え、25年度から中心となって進めている。
本年度は地域計画の地区数を現在の22から16に集約することも予定する。土地改良区は単独の地区としていたが、集約対象にすることにした。土地改良区も他の地域計画と地権者などが重複する場合が多く、農業者が効率的に参加できるようにすることがねらいだ。
地域計画などに関する地域での話し合いは、農業委員・推進委員が進める。会場の予約や当日のファシリテーターも委員が行う。委員の負担は小さくないが、佐々木会長は「これからも農地のことは何でも相談してもらえる、頼れる農業委員会として取り組んでいきたい」と話す。

⑴現在の農地制度の基本的枠組みは、第2次世界大戦後に行われた「農地改革」にさかのぼる。日本を占領したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、「財閥解体」「教育改革」など戦後の改革に着手したが、「農地改革」は日本人の自発的な取り組みとして、
本連載では、2000年代には全国の小学校の約8割で実施されていた農業体験学習が今日においていかに実施困難になっているのかを紹介してきました。
その一方で、学校教育制度からみれば、農業体験学習は「必ずしもやらなくてもよい」活動でもあります。










