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農委活動の道しるべ

農地と太陽光発電の共存について考える⑥ 弁護士・岩崎紗矢佳

2026年07月10日

 営農型太陽光発電は、単に農業者の収入増だけでなく、荒廃農地の再生をきっかけとした地域活性化の手法として行うことが考えられる。農家だけががんばるのではなく、地域住民などを巻き込んで、その中心に営農型太陽光発電を置くことで地域活性化を図る構造

 営農型太陽光発電は、単に農業者の収入増だけでなく、荒廃農地の再生をきっかけとした地域活性化の手法として行うことが考えられる。農家だけががんばるのではなく、地域住民などを巻き込んで、その中心に営農型太陽光発電を置くことで地域活性化を図る構造である。


 たとえば、地域住民などが出資して会社を作り、その会社が住民などから集めた資金などを原資として発電設備を設置する。そこで発電した電力を地域内に販売・供給する(公的機関への供給が多いようである)。太陽光パネルの下の営農は、地域農業者で作る農業法人が担う。地域住民などを農地に招き、田植えや稲刈りなどの体験をしてもらい、年末には採れたお米で餅つきをするといった継続的な地域コミュニティの形成を狙う。もちろん、出資者や体験イベントの参加者を地域住民に限定することなく、その地域から都会に出て行った人、何かの縁で地域に関わった人など、その地域に興味関心を持つ人を広く対象とするのがよいだろう。出資することで1回だけの観光にとどまらず、継続的な関わりを持つ理由ができ関係人口を増やすことにつながる。


 このような取り組みは、農業者以外が声を掛けて始めた例や、自治体など公的機関がリーダーシップをとる例もある。自治体がリードする場合には特に独自の補助金を設けることもある。


 ただし、注意点もある。太陽光発電は数十年の稼働を見込んで設置される長期の大掛かりなプロジェクトになる。数十年先の地域を託せるだけの綿密な計画と確固たる覚悟が必要である。さらに、リーダーのカリスマ性や熱心なメンバーのボランタリー精神(立ち上げ時にはこれらは必要であろう)に頼りすぎない組織体制と、それを維持するための運営ルール作りが重要である。規約などはひな型を妄信するのではなく、自分たちが「腹落ち」するまで読んで適用場面を想像してほしい。そのプロセスが計画の基盤を作っていくだろうし、地域の未来を皆で考えることになるだろう。

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