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農地と太陽光発電の共存について考える⑤ 弁護士・岩崎紗矢佳

2026年07月03日

 営農型太陽光発電において、農地所有者と営農者・発電設備設置者が異なる場合に不適切事例が入りこむ余地があるとお話しした。もちろん農地所有者自らが営農や設備設置をする場合であっても不適切事例はあり得るので類型が全てではない。


 懸念するのは、発

 営農型太陽光発電において、農地所有者と営農者・発電設備設置者が異なる場合に不適切事例が入りこむ余地があるとお話しした。もちろん農地所有者自らが営農や設備設置をする場合であっても不適切事例はあり得るので類型が全てではない。


 懸念するのは、発電設備を設置したい発電事業者と、営農が困難な(たとえば高齢や病気、遠方農地の相続など)農地所有者がつながったとき、「営農を任せられる、しかも地代で固定資産税を賄える」という思いが先行し、具体的な営農計画、設置者や営農者の素性などを詳しく確認せず、営農型でありながら発電のみを重視し、単に安価に設備を設置できる土地を探して農地にたどり着いただけの適切な営農を期待できない事業者に農地を任せてしまう事例である(農業委員として目の当たりにする営農困難な農地所有者の心理的負担は大きく、営農を任せたいと思うその心情自体を責めるつもりは全くない)。


 設備設置後、営農に著しい支障があるとされれば、設備撤去・農地の原状回復命令、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)認定対象施設である場合にはその認定打ち切りなどにより、適切な営農確保を促す仕組みとなっている。しかし、設置者が原状回復などに応じなければ、農地所有者は自分の農地上に設備が設置されたままとなってしまう。


 設備設置のための転用や使用収益権の設定は当事者双方による共同申請である。権利設定を受ける側が農地所有者の承諾を得て申請することが多いと思われるが、申請窓口で気になる点があれば、制度や計画について農地所有者への認識確認などがあってしかるべきと考える。


 もっとも、当然ながら不適切事例が全てではなく設備設置者(発電事業者)もさまざまある。地域再生・活性化などをめざし地域住民の出資や協力を得ての設置もある。荒廃農地で営農型太陽光発電を始めることは、営農が始まることであり農地の再生が始まることでもある。次回以降、営農型太陽光発電と地域の共存について検討したい。

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