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【鳥獣対策優良活動表彰】GPSでサルの生態見える化 長野・大町市

2026年04月03日
     
農家から提供されたくずリンゴをわなへの誘引に活用(大町市提供)
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25年度鳥獣対策優良活動表彰 農村振興局長賞・被害防止部門受賞 


 ニホンザルによる農作物などへの被害が多発していた長野県大町市では、22020年度からGPSを導入し、サルの生態の見える化を実施。電気柵とICT大型おりによる戦略的捕獲との併用

25年度鳥獣対策優良活動表彰 農村振興局長賞・被害防止部門受賞 


 ニホンザルによる農作物などへの被害が多発していた長野県大町市では、22020年度からGPSを導入し、サルの生態の見える化を実施。電気柵とICT大型おりによる戦略的捕獲との併用で、被害額は3分の1に減少、捕獲頭数は10倍に増える成果が上がった。

 GPSの導入前は、サルの群れの位置をテレメトリーで把握し、追い払いを行っていたが、精度が低く被害を減らせず、住民からの苦情も相次いでいた。

 GPSによって、サルの群れの居場所を見える化できたことで、追い払いの精度が上がった。蓄積したデータから、季節ごとのサルの行動パターンの特定も進み、対策が立てやすくなった。さらに、住民もサルの位置をスマートフォンやPCから確認できるようにしたことで、地域全体の防衛意識が向上した。

 一方、デジタルの情報に頼りすぎず、市の担当職員が現場へ積極的に足を運ぶようにしている。住民から直接被害状況の聞き取りを行うなど、コミュニケーションを密にし、信頼関係を構築した。その結果、市がGPSで前夜のサルの寝床を特定し住民に連絡を入れ、追い払い準備をしてもらうといった、行政と住民が協力して前向きに被害対策に取り組む機運が生まれた。

 また、捕獲には、遠隔監視ができる大型おりを使用している。防除のため市内約112㌔にわたり設置した電気柵の開口部に置き、捕獲のチャンスに転換したものだ。

 被害の減少を肌で感じた農家が、わなへの誘引用のくずリンゴの提供に協力しており、協力と被害軽減の好循環につながっている。

 近隣自治体との連携も重視している。サルの生息地は市町村をまたぐため、GPSの基地局を共通化し、情報共有や捕獲技術の意見交換を行い広域的な対策を進める。

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