Home

記事

経営・流通

STOP鳥獣害

アライグマ対策 環境DNAで迅速かつ安価に判定

2026年05月29日
     
特定外来生物のアライグマ(写真は環境省提供)
No items found.

 農研機構はこのほど、環境DNA(水中や土壌など環境中に存在する生物由来のDNA)分析を用いたアライグマの判別手法を開発した。簡単、迅速に判定できる手法でアライグマの早期捕獲やアライグマに適した被害防止対策が可能になる。分析費用が抑えられ、

 農研機構はこのほど、環境DNA(水中や土壌など環境中に存在する生物由来のDNA)分析を用いたアライグマの判別手法を開発した。簡単、迅速に判定できる手法でアライグマの早期捕獲やアライグマに適した被害防止対策が可能になる。分析費用が抑えられ、生態系への影響も軽減するなどの貢献が期待できる。

 アライグマは生物多様性を脅かす恐れがあることから、特定外来生物に指定されている。人やペットで感染例が増えている重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などのウイルスを媒介するマダニを人の生活圏に運ぶ可能性が指摘されている。

 被害やリスクを抑えるには生息や被害状況を早期に発見し、捕獲やアライグマに適した対策を速やかに行うことが必要だ。しかし、農作物や収穫残さに残る食痕からは判別が難しく、住民の「〇〇らしき動物」の目撃情報から加害動物の姿が分かっていても正しく同定されないケースがあり、素早い対応につながりにくいという課題があった。

 そこで農研機構は、水生生物で確立された既存の環境DNA分析技術を陸生動物に応用。アライグマのみに特化したDNA系列を設計することで、農地や出没地点でアライグマ由来のDNAを検出できることが分かった。アライグマが飼育ケージ内の給水ボウルに触れた時間とアライグマ由来のDNAの検出実験を行ったところ、短時間の接触でもボウルからDNAを検出できた。貯水池や小河川での調査では、生息痕跡が確認されなかった地点でもアライグマDNAを検出でき、有効性が示された。

 環境中に存在する生物由来のDNA検出方法は、水生生物を対象に飛躍的に発展してきた。陸生動物で痕跡の形から判断できない場合、痕跡自体が残らない場合でも河川水など少量のサンプルがあれば、生息の有無や加害動物を判別できる。

 研究で扱った水だけでなく大気、食痕、ふんなどさまざまなサンプルがアライグマのDNA検出に応用できる。分析は、都道府県の公設試験場などで既存の分析機器で行うことができる。

有料会員に登録すると会員限定の有料記事もお読みいただけます