鹿皮活用の新たな可能性見いだす(後編)



カワダさんは新しい鹿皮紙作りや鹿皮利活用を促進するため、さまざまな用途開発もしている。
鹿皮紙は、文字を記したり絵を描いたり、封筒や箱を形作るなど、紙のような使い方ができる。さらに、透過性や可塑性を活かしたランプシード、熱を加
カワダさんは新しい鹿皮紙作りや鹿皮利活用を促進するため、さまざまな用途開発もしている。
鹿皮紙は、文字を記したり絵を描いたり、封筒や箱を形作るなど、紙のような使い方ができる。さらに、透過性や可塑性を活かしたランプシード、熱を加えることで自由に成形・固定できる特性を利用した撥水性のあるバラコサージュといった装飾品など、さまざまな活用の可能性がある。
鹿皮紙について「日本から世界へ届けられる素材や製品にしたい」とカワダさんは語る。「鹿皮紙の普及が進めば、猟師への理解と地位の向上が望め、皮革業界の仕事も増やせる。鹿皮活用の成功例となるよう、地方創生の一翼を担う素材をめざしたい」と先を見据えた。
2025年1月、藤井楽器(東京都多摩市)と共同で、三味線の胴に張る「三味線用鹿皮」を開発。奈良産業㈱(奈良県宇陀市)が皮の製造を手がけ、販売を始めた。鹿皮紙作りで得た経験と奈良産業の技術力で作る三味線は、温かみがある音を響かせる。力強い音色が特徴とされる犬皮や、繊細で豊かな音色といわれる猫皮とは一味違う特別な音色と注目されている。
近年、伝統芸能である三味線は大きな転換点を迎えている。より良い音を求める奏者には犬皮や猫皮の需要は依然として高いが、輸入に依存している胴皮は、調達が難しく供給不安が続く。また、今や「家族の一員」といわれる犬や猫の皮を使用することは、国内外問わず理解されにくい状況だ。合成皮も普及し始めているが、伝統的な皮張り技術が継承されなくなることも危惧されている。
犬皮や猫皮に代わる鹿の三味線用皮の登場で、日本の伝統芸能が安定的に維持できる期待が高まった。








