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不耕起栽培や環境・農業教育に力 神奈川・茅ヶ崎市 ふるさとファーマーズ

2026年05月29日
     
石井さん(右)と片岡さん
不耕起栽培で管理する畑。地域の農家や住民らが集う交流拠点にもなっている
出張授業で子どもたちに話をする石井さん
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 神奈川県茅ヶ崎市のNPO法人ふるさとファーマーズ(石井雅俊代表理事)が今年2月、第2回かながわ脱炭素大賞を受賞した。評価されたのは、不耕起栽培による農地の管理や、学校と連携した環境・農業教育などに取り組んできたこと。「里山の自然と日本の農

 神奈川県茅ヶ崎市のNPO法人ふるさとファーマーズ(石井雅俊代表理事)が今年2月、第2回かながわ脱炭素大賞を受賞した。評価されたのは、不耕起栽培による農地の管理や、学校と連携した環境・農業教育などに取り組んできたこと。「里山の自然と日本の農業を未来へつないでいきたい」――。そんな思いを胸に活動する同法人を取材した。


農業通じて都市住民が交流

 元々は会社員だった石井さんがふるさとファーマーズを立ち上げたのは、コロナ禍だった2020年(当時はNPO団体)。輸出規制により店頭から一部の食料品が消えるなど、食への危機感を抱いたことがきっかけだった。自ら農家になることも考えた中でNPOを選んだのは、農業と関わる人を増やしたいという思いから。石井さんは「消費者と生産現場が離れてしまっている時代、農業を身近な存在にすることが、食の未来にとって重要だと考えた」と話す。

 同法人の会員は現在約40人。農業や自然に興味をもつ都市住民らが集い、野菜や米の栽培、地域の清掃活動などを通じて交流している。農地があるのは同市北部の里山が広がるエリア。耕作放棄地や後継者不在の農地など、地域の農家から託された田畑を管理している。

 作物の栽培はすべて不耕起栽培で行う。前作の残渣(ざんさ)や微生物の力で作物を育てる手法で、環境に配慮した農業を実践したいという思いで取り入れた。一方で、食を支えてきた慣行栽培にも最大限の敬意を払う。同法人理事の片岡由佳さんは「私たちが楽しみながら活動できるのも農家さんあってこそ。農家さんがプロの仕事をする傍らで、私たちは農業の魅力を伝えていければ」と話す。

 そんな同法人の姿勢が地域に受け入れられ、いつしか農地が空いた際には声をかけられるようになった。15㌃でスタートした耕作面積は、現在80㌃まで拡大している。石井さんは「『ふるさとファーマーズに任せたい』といってもらえるのが誇り。将来的には農業法人の設立も視野に入れている」と先を見据える。


要望に応じた授業を提供

 小中学校や高校、幼稚園などと連携し、出張授業にも力を入れてきた。農業のこと、環境のこと、仕事のこと――学校やクラスごとの要望に応じて、オーダーメイド型の授業を提供している。これまでに訪れた学校は市内を中心に14校。のべ2千人の子どもたちに思いを伝えてきた。

 出張授業をきっかけに、子どもたちが同法人の畑を訪れて農業を学ぶ実践型の授業に発展した例もある。「農業も習い事にすれば憧れの職業になるのでは」――。農業の現状を学んだ子どもたちが自ら企画し、実現させたものだ。農作業の指導には近隣の農家も協力するなど、地域一丸となった取り組みになっている。

 今後はこうした取り組みを再現性のあるモデルとして確立し、他地域にも展開していくことが目標だ。石井さんは「農業が続いていくためには、多くの人の理解と協力が不可欠。企業や行政も巻き込みながら、関わる人の輪を広げていきたい」と意気込む。

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