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地域ぐるみで取り組む鳥獣害対策⑤  「イノP」取締役・楠田弘毅氏

2026年10月16日
     
マップづくり。ひそみ場を書き込んでいく
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 前回は、地域ぐるみの対策の第一歩として「2段階の研修」を通じて地域にやる気の火をともすプロセスを紹介した。


今回は次のステップとなる「マップづくり」と「集落点検」について紹介する。これらは被害や対策の現状を可視化し、地域での今後の対策を決定

 前回は、地域ぐるみの対策の第一歩として「2段階の研修」を通じて地域にやる気の火をともすプロセスを紹介した。


今回は次のステップとなる「マップづくり」と「集落点検」について紹介する。これらは被害や対策の現状を可視化し、地域での今後の対策を決定する「合意形成」を図るうえで極めて重要な作業だ。


 まずは「マップづくり」。集落の地図や航空写真を広げ、どこで被害が出ているか、どんな対策をしているか、無意識の餌付けやひそみ場はどこかを住民同士で書き込んでいく。おのおのが抱えていた情報を地図に集約することで、「点」の情報が「面」として見えてくる。「これ(マップ)を持ってさらけば(歩けば)いいばいね!」「公民館に貼っておくたい!」との声があがるほど、住民の対策意識は目に見えて向上する。


 なお、近年では、情報通信技術(ICT)を活用してスマートフォンで被害箇所などを記録・共有することが可能になっている。私たちも柵の点検記録・共有などに利用している。


 次に、そのマップを手に実際の現場を歩く「集落点検」を行う。地図上では分からなかった藪(やぶ)の深さ、放任果樹、壊れた柵の状況などを、住民自身の目で確認するのだ。マップづくりの時にはピンときていなかった人も、現場を見ることで「ここは獣のひそみ場になっていそうだ」と危機感を共有できる。研修で得た知識が実感に変わる瞬間だ。


 このように「見て、納得する」プロセスを経ることで、住民間に共通認識が生まれる。その結果、「ここの草を刈ろう」「ここに侵入防止柵を張ろう」といった具体的な対策の合意形成がスムーズに進むのである。私たちが関わった集落でも、マップづくり・集落点検は藪の刈り払いによる「近寄らせない対策」実施の契機となった。


 「地域ぐるみの対策」には、このマップづくりと集落点検が欠かせない。全員で現状を把握し、納得して決めた対策だからこそ長続きするのだ。

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