高温耐性品種の導入加速 25年産にじのきらめきは前年の2.6倍




夏場の高温が年々深刻化する中、水稲では高温耐性品種の導入が加速している。中でも近年作付面積を伸ばしているのが、2018年に農研機構が育成した「にじのきらめき」。25年産の全国の作付面積はおよそ1万6千㌶で、前年の2.6倍に拡大した。特に栽
夏場の高温が年々深刻化する中、水稲では高温耐性品種の導入が加速している。中でも近年作付面積を伸ばしているのが、2018年に農研機構が育成した「にじのきらめき」。25年産の全国の作付面積はおよそ1万6千㌶で、前年の2.6倍に拡大した。特に栽培が盛んなのが茨城県。早くから普及に力を入れてきたJA北つくばと筑西地域農業改良普及センターの担当者に話を聞いた。
猛暑でも1等米比率9割 関係機関が普及を後押し
JA北つくば管内でにじのきらめきの作付けが始まったのは19年。当時は主力のコシヒカリでも9割近い1等米比率を維持していたが、年々暑さが厳しさを増す中で高温耐性品種の導入を望む声があがっていた。
また、コシヒカリで縞葉枯病が流行していたことも、同病に耐性を持つにじのきらめきを導入した理由の一つ。同JA米穀販売課の市村哲範さんは「通常8.5~9俵とれるところ、6俵ほどまで落ち込む生産者もいるほど深刻だった」と振り返る。
そうした背景もあり、にじのきらめきの栽培は急速に拡大していった。初年度の作付面積はわずか16㌶だったが、2年後には300㌶を突破。25年には1400㌶を超え、当初9割以上を占めていたコシヒカリと肩を並べた。
急拡大した理由の一つが、確かな高温耐性だ。同センターが25年産米で実施した調査では、コシヒカリの整粒歩合が58.8%だったのに対し、にじのきらめきは70.1%を記録。坪刈りの収量もにじのきらめきが10㌃換算で685㌔と、コシヒカリの1・4倍を超える数字となった。市村さんは「生産現場でも同じような数値になっている。特に暑さが深刻だった23年産でも、にじのきらめきの1等米比率は9割近かった」と話す。
関係機関によるサポートも、作付面積の拡大を後押しした。同JAは早い段階から栽培が広がることを見越して種子の生産を始めたほか、販売先の確保にも奔走。食味はコシヒカリ並みと評価されていたものの当時は無名だったため、業務用米として販路を開拓していった。今では地域の量販店で単一銘柄として販売されるなど、消費者にも名の通った銘柄として定着している。
同センターでは農研機構が発表した品種の情報などを踏まえ、地域にあった栽培技術の確立に力を入れてきた。特にカギを握る肥培管理についてはメーカー協力のもと、にじのきらめきの特性にあった肥料を検討し、生産者に還元している。
栽培のポイントはいくつかある中で、特に注意が必要なのが収穫時期の見極め。止葉の下に穂ができるのがにじのきらめきの特徴で、もみの黄化率を注視していないと刈り遅れる場合があるという。肥料を怖がらずに散布することもポイントの一つ。同センターの稲葉大貴さんは「稈長が短く倒れにくいので、基準量を思い切って施肥することが大事」と説明する。
26年産では管内の6割を占めるという見方もあるなど、今後も作付面積の拡大が見込まれるにじのきらめき。市村さんは「作業スケジュールなどを考えると、すべてをにじのきらめきにすることはできない。コシヒカリも含め前後の品種なども考えながら、トータルで生産者の所得が向上するようサポートしていきたい」と話す。
25年産 全国で24万8485㌶ 高温耐性品種 前年比20%増
農水省は3月、25年産米における高温耐性品種の作付面積が、前年比20%増の24万8485㌶に上ったことを明らかにした。主食用米の作付面積に占める割合は18.2%となり、前年から1.8㌽増加。いずれも過去最高を更新した。
地域別では東日本が最多で12万4千㌶、西日本が9万2千㌶、北日本が3万2千㌶だった。
品種別に見ると、中国地方で多く作られている「きぬむすめ」が2万5103㌶で最多。次いで、「とちぎの星」が1万9351㌶、「こしいぶき」が1万9千㌶、「つや姫」が1万8842㌶、「にじのきらめき」が1万5669㌶だった。
上位10品種の中で前年からの増加率が最も大きかったのは、「にじのきらめき」で158%増。「とちぎの星」が61%増、「ふさこがね」22%増で続いた。25年産で2千㌶以上作付けられた28品種のほぼすべてで作付けが増えた。








