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農委活動の道しるべ

学校教育との連携をめざして③ 信州大学・渡邉綾 助教

2026年04月17日
     
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 2000年代以降、農業体験学習は小学校を中心に広がり、09年度には実施率が8割台に達しました。しかし今日では、教員の多忙や教育改革に伴う授業内容の増加などを背景に、農業体験学習の実施率は減少傾向にあります(本連載第2回)。

 さらに、農業体

 2000年代以降、農業体験学習は小学校を中心に広がり、09年度には実施率が8割台に達しました。しかし今日では、教員の多忙や教育改革に伴う授業内容の増加などを背景に、農業体験学習の実施率は減少傾向にあります(本連載第2回)。

 さらに、農業体験学習を実施している学校でも、内容の縮小傾向がみられます。

 09年度の調査では、農業体験学習の実施校のうち、内容は「農作業のすべて」が58.2%、「農作業の一部」が71.1%、「農畜産物加工の体験」が27.6%でした(n=409、複数回答)。これに対して、21年度の調査では、09年度と比べて、「農作業のすべて」「農畜産物加工の体験」が低下しており、「農作業の一部」に縮小する傾向がみられます=図。

 重要なのは、学校教員はこうした現状を望んでいるわけではないという点です。アンケート末尾の自由記述では、「やるならば1回で終わるのではなく継続的に観察や活動が必要」「本当はすべての一連の苦労を体験してこそ本当の学びになると思う」など、多様な農作業の体験を組み込みたいという思いがつづられています。

 一方で、時間や予算の制約から、「農作業の一部」の実施にとどまらざるをえない学校も少なくありません。農業体験学習は学校側にとって「やりたくてもやれない」教育活動になっているのです。今日、農業体験学習の継続可能性は、こうした学校現場の構造的な課題のもとで問われています。

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