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改正食糧法が成立 法律のポイントと政省令の検討状況

2026年07月17日
     
8日の参院本会議で可決・成立
改正食糧法のポイント(農水省資料より作成)
衆参農林水産委員会 付帯決議(主な内容)
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 「需要に応じた生産」を掲げた改正食糧法が8日の参院本会議で可決・成立した。国会審議で明らかになった政省令の検討状況も含め、法律のポイントを確認する。


多様化する流通実態の把握強化


 国による需給見通しの精度を上げるため、米の出荷または販売を行

 「需要に応じた生産」を掲げた改正食糧法が8日の参院本会議で可決・成立した。国会審議で明らかになった政省令の検討状況も含め、法律のポイントを確認する。


多様化する流通実態の把握強化


 国による需給見通しの精度を上げるため、米の出荷または販売を行うことを国に届け出る事業者(届出事業者)を拡大する。具体的には、従来の出荷・販売事業者に加え、加工・中食・外食の事業者を追加。集荷業者以外との取引の大幅な増加や中食・外食需要の増加など米流通をめぐる状況が変化する中、流通事業者の需要実態を幅広く把握する。

 

 届出事業者は国に対し、在庫数量、出荷・販売数量、買い入れ数量などを定期的に報告する(新設)。加えて、省令により取引相手の業種やとう精数量なども報告事項となる見通し。


 農水省は届出事業者数を約2万事業者と見込んでおり、このうち約7千事業者に定期的な報告を求める方向で検討している。報告頻度は年間の取り扱いが300㌧以上の出荷・販売事業者(約3千事業者)が「毎月」、それ以外の規模の出荷・販売事業者や加工・中食・外食事業者が「年1回」。同省はこれにより出荷・販売事業者の在庫の約95%が月ごとに把握できるとしている。


 届け出や定期報告に伴う事業者の負担を軽減するため、同省は農林水産省共通申請サービス(eMAFF)による電子申請を導入し、選択式での回答などを可能にする方針を明らかにしている。事業者の名称や連絡先といった基本情報も、一度登録すれば次から入力を省略できるようにする。一方、電子申請による報告が難しい事業者に配慮し、書面による報告にも引き続き対応する。


 報告で得られた販売価格などの情報は、平均値に加工した上で公表する。個別事業者ごとのこれらの数値は競争上の地位を害する恐れがあるため、公表しない。

 そのほか、届け出・定期報告が適正に実施されるように、国による助言・指導や定期報告違反に対する罰則の新設、報告徴求違反、変更・廃止の届け出違反に対する罰則の引き上げが措置された。


民間備蓄制度の創設

 米の生産量の減少に加え、需要量の増加による供給不足にも備えて保有できるよう備蓄の目的を見直した。

 また、備蓄米の機動的放出が可能となるように政府備蓄に加え、民間備蓄制度を創設。大規模な民間事業者に対して、最低限維持すべき基準保有量以上の米の常時保有を義務付けた。民間備蓄を担う事業者の基準は政令で規定するが「年間の出荷数量または販売数量が10万㌧以上」が想定されており、事業者数は、2024年取引数量ベースで10社ほどになる。

 民間備蓄は20万㌧の回転備蓄とし、政府備蓄の80万㌧と合わせて、適正水準としてきた100万㌧を維持する。20万㌧の根拠について政府は「過去の不作時や南海トラフ地震臨時情報が発出された場合における需要量の増加なども踏まえ想定した水準」としている。民間備蓄制度の施行は「公布日から2年以内」と規定されており、28年度には導入されることになる。

 国は定期報告を通じて供給不足を察知した場合、政府備蓄米より民間備蓄米の方が迅速に対応できると認めるときに基準保有量を引き下げ、その分の米を不足地域や業種を示し、譲り渡しの要請や勧告、命令を行うことができる。

 民間備蓄に伴う事業者保管経費などの負担は、政府が財政措置やその他の措置を講じる。調達価格(新米)と保有後の販売価格(古米)の売買差損をどうするかなど、具体的な措置について同省は、本年度に予定している実証調査を踏まえ検討するとしている。


需要に応じた生産の促進


 米の需要減少を前提とした生産調整方針に関連する規定を廃止する一方「生産者は主体的に需要に応じた生産に努める」など、需要に応じた生産に関する責務規定を新設した。


 政府は、需要に応じた生産が可能となるよう、米の新たな需要の開拓、輸出の促進、生産性の向上に関する施策を推進する。


全事業者が対象の順守事項新設


 事業規模にかかわらず全事業者が守るべき責務規定として「食糧法の規定の順守」「米の品質保持のための適正な管理」「持続的な供給に資する取引の実施」が条文に明記された(8条)。省令には、具体的な順守事項として「相手方が食糧法に基づく届け出をしているか確認して取引を行うよう努めること」「保管温度に応じて適切に管理をすること」などを新たに規定し、違反した場合には勧告・公表・命令・罰則などの措置を講ずることが検討されている。


 さらに不誠実な取引が横行しないように国はガイドラインを策定し、信義則に基づく取引の徹底を求めるなど、規律ある取引慣行の醸成をめざすことにしている。


 背景には、米価高騰時に届け出もせずに取引を行う事例、買い取った米を適切に管理せず粗雑に扱う事例、成約済の米を横取りするような不誠実な取引を行う事例などが発生したことがある。

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