10㌶500俵の米を紙袋でモミ貯蔵
米袋は紙が3重、5年もつ
栃木・野木町 舘野廣幸
1992年より無農薬・無化学肥料で栽培。有機のイネ15㌶、小麦1㌶、大豆1㌶ほか
私の農場では、有機栽培した米を30年以上前から紙袋でモミ貯蔵しています。モミの貯蔵にはいろいろな方法があると思い
米袋は紙が3重、5年もつ
栃木・野木町 舘野廣幸
1992年より無農薬・無化学肥料で栽培。有機のイネ15㌶、小麦1㌶、大豆1㌶ほか
私の農場では、有機栽培した米を30年以上前から紙袋でモミ貯蔵しています。モミの貯蔵にはいろいろな方法があると思いますが、私は30㌔用の空き紙袋(米袋)を使っています。モミの貯留タンクやフレコンの利用も考えましたが、私の農場では主に10㌔や5㌔の紙袋に小分けして販売していますので、貯蔵用の30㌔紙袋がたくさん残ります。その空き紙袋にモミを入れて保管しています。米の30㌔紙袋は3重になっており、ていねいに扱えば5年くらいは使えます。
紙袋モミ貯蔵はフレコンなどより袋内の中心部と外側で水分差が出にくいこと、紙袋単位で小分けして分割使用できること、経費が少ないこと、ハンドフォークなどで人力移動もできること、廃棄にプラスチックゴミが出ないことなどの利点があります。
欠点は、手間がかかることと保管場所の確保などです。
紙袋モミ貯蔵のポイント
①乾燥機で水分17%に
モミの乾燥水分は17%で紙袋に貯蔵します。乾燥機の二段乾燥の一次乾燥の状態でモミ貯蔵します。乾燥機で17%に調整したモミを貯留タンクに移してからおおよそに計量しながら紙袋に詰めます。モミ水分17%を超えると保管中とくに梅雨時にモミ表面にカビが発生することがあります。
モミ水分の目安は、関東地方のように冬季に乾燥する太平洋側の地域では、保存中に徐々に自然乾燥するため、春先には約15%の水分になります。日本海側の冬季に雪や雨の多い地域で保管中に水分が増える場合、最初から15%のモミ水分で保管したほうが安全かもしれません。
②モミの量は20㌔を目安に
30㌔用の紙袋に入れるモミの重量は、20㌔を目安にすべて同量で詰めます。重さはデジタルはかりを使って計量します。モミの量がばらつくと積み上げた時に傾き崩れる原因になります。また、袋いっぱいに入れると不安定になり、袋の間に隙間ができてネズミの侵入原因となります。積み上げた時に紙袋がフラットになるように積んだほうが安定し、紙袋の隙間もなくなります。
③紙袋はヒモを結ばずにパレット積み
モミを詰めた紙袋は口を3回折りし、紙袋の口ヒモは結ばずにパレットに積みます。口をヒモで結ぶ必要はなく、モミを出すときも容易です。パレットの底面に空の紙袋を数枚敷いてパレットとの隙間をなくし、一段に6袋並べて交互に8段まで積みます。積む向きは、封入口を内側にします。積んだ紙袋に隙間があるとネズミが侵入するので、新聞紙を詰めておくことで防ぎます。
④産年・品種・圃場の記載
パレットの最下段4面の紙袋に産年・品種・圃場番号を記載します。最下部への記載であれば、最後まで記載情報が残ります。有機JAS認定等の圃場別管理にも有効です。
⑤保存場所は雨と直射日光を避けて
パレットに積んだモミ紙袋は湿度の少ない場所で保管します。雨と直射日光を避けられる場所であれば、納屋などの奥に保管するよりは風通しのよい下屋のようなところがよいと思います。パレットは壁面に密着させず、パレット間に隙間も10㌢程度あけてネコの巡回通路をつくるとネズミの被害を防げます。
また、カラスや鳥による被害が予想される場合は網ネットなどで防ぎます。なお、紙袋の中は一般流通していないモミなので、ヒトによる盗難(転売目的)の被害はありません。
日本海側でモミ貯蔵
鳥取・八頭町 田中 里志
35年ほど前、父の代に農協出荷をやめ、全量自主販売に切り替えました。1年分の出荷量を保管する場所が必要になり、玄米保管だと冷蔵保管庫の新設に多額の費用がかかります。そのため、昔から地元では当たり前だったモミ保管を始めました。
現在、約2500俵分を、床面積約600平方㍍の倉庫に保管しています。
基本的には収穫後に水分値15%で調整し、フレコンバッグで直射日光の当たらない風通しのよい倉庫にて保管。当地は冬季に曇天が続く日本海側なので、湿度の高い日が続くと米の水分値が16%辺りまで戻ります。そのときはモミすり前に再乾燥して水分の再調整を図っています。
(記事提供「現代農業」農文協)














