市街地にクマ 緊急銃猟の判断迫られる自治体



官民共創でシステム開発 発砲許可判断の一助に
長野県大町市農林水産課は、市内のIT企業・㈱GOAT PLUS(田中詠一代表取締役)との官民共創で、危険鳥獣出没時の発砲許可判断の一助となる「緊急銃猟対応管理システム」を開発した。
緊急銃猟に備え
官民共創でシステム開発 発砲許可判断の一助に
長野県大町市農林水産課は、市内のIT企業・㈱GOAT PLUS(田中詠一代表取締役)との官民共創で、危険鳥獣出没時の発砲許可判断の一助となる「緊急銃猟対応管理システム」を開発した。
緊急銃猟に備え対応検討
危険鳥獣(ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシ)が人の生活圏に現れた場合、一定の条件を満たせば市町村の判断で銃猟を行える「緊急銃猟制度」。環境省は現場で安全に緊急銃猟に臨めるよう「緊急銃猟ガイドライン」を発行し、実施の流れや配慮事項などを示している。
大町市とGOAT PLUSは、2025年7月ごろから、市として緊急銃猟に対応するためのマニュアル作りを検討していた。しかし、危険鳥獣の出没中に、マニュアルを見ながら緊急銃猟の法的整合性を判断している余裕は無い。また判断の遅れや迷いが、現場の職員や捕獲者、住民を巻き込む事故につながりかねないと考えた。
そこで「捕獲者の法的・心理的リスクの低減」と「行政が確実かつ安全に指揮命令を行える」という2点を最優先にしたシステム開発に着手した。
緊急銃猟対応管理システムを開発
開発した緊急銃猟対応管理システムは、スマートフォンからブラウザにアクセスして起動する仕様。主要機能は次の五つだ。
①条件チェック機能
緊急銃猟の条件に該当するか否か判断するまでの履歴が記録され、後日でも手続きの正当性を証明可能。
②配置管理機能
地図上で出動員の配置や被弾危険区域を設定・共有できる。指揮官は人員を安全な位置に適正に配置でき射手も撃つべきでない方向を視覚的に確認できる。
③状況のリアルタイム確認
・共有機能
対応内容を「初動、計画、実行、事後」の4段階に分け、段階ごとのタスクがシステム上に表示される仕組みとした。パニックに陥っていても、とるべき行動が把握できる。
④ライブ配信
市町村長が現場と同じ目線で状況判断できるよう、時差が生じづらい低遅延映像配信技術を採用。録画・保存機能も備え、事後検証や証拠保全に役立てられる。
⑤AI法務相談
ガイドラインや法令への問いに即座に回答可能な生成AIを搭載した。
開発にあたっては、銃所持許可取り消しをめぐる裁判(※)の弁護団の一員だった弁護士で狩猟者の伊藤正朗さんに監修を受けた。また、開発に携わった市農林水産課職員とGOAT PLUSの田中代表が現役狩猟者であることも功を奏し、現場目線に立ったシステム開発がかなった。
※銃所持許可取り消しをめぐる裁判とは…18年に、北海道砂川市の市街地付近にヒグマが出没。市の要請で駆除にあたった狩猟者の男性が、建物に向かって発射したことが鳥獣保護管理法に違反しているなどの理由で、道公安委員会に銃所持許可を取り消された。男性は、許可取り消しは不当として道と争い、26年3月、最高裁で勝訴。 |








