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特定外来生物の生態と防除対策② (一財)自然環境研究センター 橋本琢磨

2026年07月10日
     
アライグマは今も分布を広げ続けており、被害は大きくなると予想される
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 2024年度、アライグマによる農作物被害金額は6億円を超えた。トップのシカ(78億円)には遠く及ばないものの、獣類の中では4位にランクイン、00年度からの24年間で被害金額は実に19倍に激増、3位のサルとの差はもうわずかだ。


 アライグマは

 2024年度、アライグマによる農作物被害金額は6億円を超えた。トップのシカ(78億円)には遠く及ばないものの、獣類の中では4位にランクイン、00年度からの24年間で被害金額は実に19倍に激増、3位のサルとの差はもうわずかだ。


 アライグマは北中米原産の中型獣で、愛らしいルックスから日本には飼養動物として持ち込まれた。ペットとしての人気が高まったのは有名なアニメの主人公となったことも影響している。しかしアニメの結末と同じように、アライグマはペットとしては不向きであり、逸走や放棄によって各地に定着した。日本で最初の野生化は1962年、愛知県での事例とされている。その後、各地で野生化が相次ぎ、現在では沖縄県を除くすべての都道府県で生息が確認されている。


 アライグマがタヌキなどの在来の中型獣と異なるのは、木登りが得意で、前足で物をつかめる器用さがある点である。従来の被害対策をあざ笑うかのように、アライグマは柵を越えて畑に入り、スイカの実を前足でほじって食べる。ブドウ畑では棚に登り、上から前足を伸ばして果実をもぎ取る。残念な予測だが、アライグマによる農作物被害はこれからも増えていくだろう。


 特定外来生物は、防除によって根絶することが望ましいが、アライグマを日本から根絶することは現時点では不可能に近い。では、手をこまねいていれば良いのかと言うとそうではない。アライグマは農作物被害だけでなく、カエルやカメ類などの在来種を食害し、またSFTSなどの人に重篤な症状を引き起こす感染症も媒介している。捕獲によってできる限り減らしていくべきだ。


 北海道新十津川町では、地域ぐるみで積極的な捕獲をすることで、アライグマの生息数を減らし、被害も大幅に減少したという成果を挙げた。アライグマは比較的捕獲しやすい動物だ。だからわなを掛ければ掛けただけ減らすことができる。1人でも多くの人がアライグマの捕獲に参加して、地域からアライグマの被害をなくしていくことが大切だ。

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