学校教育との連携をめざして② 信州大学・渡邉綾 助教
2026年04月10日
学校教育において、農業・農村の教育的な意義や価値に関心が高まっています。特に、農作業や農村生活、農産品加工などの体験を取り入れた学校での教育活動(農業体験学習)は、2009年度の調査では、全国の公立小学校の80.4%で実施されるなど、大き
学校教育において、農業・農村の教育的な意義や価値に関心が高まっています。特に、農作業や農村生活、農産品加工などの体験を取り入れた学校での教育活動(農業体験学習)は、2009年度の調査では、全国の公立小学校の80.4%で実施されるなど、大きな広がりを見せてきました(全国農村青少年教育振興会、2010、『小・中学校における農業体験学習の取り組み及び効果に関する調査』)。
しかし近年、状況は変化しています。21年度に行った独自調査では、公立小学校の農業体験学習の実施率は59.7%(n=762)に低下していたのです=図。さらに新型コロナウイルス感染症拡大前の19年度の実施状況についても、62.3%にとどまっており、00年代と比べると、2割程度減少していました。
こうした背景には、地域の農業者の高齢化や後継者不足により受け入れが難しくなったことに加え、教員の多忙や、教育改革での授業数・内容の増加によって学校現場で農業体験学習を実施する余裕がなくなっているという事情があります。いわば、今日の学校教育において農業体験学習は「やりたくても、やれない」教育活動になりつつあるのです。
農業と教育の連携関係は、学校教育側からも揺らいでいるのが現状です。農業と教育の持続可能な連携のあり方を模索するためには、こうした学校現場のひっ迫状況を視野に入れた関わり方や仕組みづくりが求められています。








