人口減少社会と地域おこし協力隊制度が担う役割⑧
地域おこし協力隊制度のミスマッチを完全になくすことは困難です。どれだけ丁寧に募集し、着任時に確認をしても、実際に活動が始まれば予想外の出来事は起きます。地域との関係が思うように深まらないこともあれば、隊員の関心や将来像が変化することもあり
地域おこし協力隊制度のミスマッチを完全になくすことは困難です。どれだけ丁寧に募集し、着任時に確認をしても、実際に活動が始まれば予想外の出来事は起きます。地域との関係が思うように深まらないこともあれば、隊員の関心や将来像が変化することもあります。だからこそ重要なのは、ミスマッチを起こさないことだけではなく、起きたズレを早い段階で見つけ、修正できる運用体制を持つことです。
そのために欠かせないのが、定例会や活動報告です。定例会は、単に隊員の活動状況を確認するためだけのものではありません。隊員が何に悩み、手応えを感じ、どこで判断に迷っているのかを把握する場です。同時に、自治体や地域が隊員に期待することを伝え直し、必要に応じて活動の方向性を調整する場でもあります。
活動報告も同様です。協力隊の活動は、地域の人から見えにくいことがあります。隊員は日々動いているつもりでも、地域からは「何をしているのか分からない」と受け止められることもあります。そうした認識のズレを放置すると、隊員は孤立し、地域からの応援も得にくくなってしまいます。活動を見える形で共有することは、隊員を評価するためだけでなく、地域との関係を育てるために必要なのです。
もう一つ大切なのが、任期全体を見通したロードマップです。初年度は地域を知り、関係をつくる時期。2年目は活動を具体化し、試行錯誤を重ねる時期。3年目は任期後の暮らしや仕事、活動の引き継ぎを見据える時期、などなど。もちろん、すべてが計画通りに進むわけではありません。それでも、任期終了時にどのような状態をめざすのかを共有しておくことで、現在の活動を振り返りやすくなります。
制度運用とは、地域、自治体、隊員の関係を確認し、必要に応じて修正し続けることです。その積み重ねが、途中退任を防ぎ、任期後も地域に応援される定着へとつながっていくのです。
@総務省 地域おこし協力隊アドバイザー 鍋島 悠弥








