【アグリの話】営農型太陽光発電とは?




瑞穂 最近、近くの畑に太陽光パネルが立ったね。パネルの下で作物を育てているみたい。
耕一 それは「営農型太陽光発電設備」だね。
瑞穂 農地に建物を建てるには許可がいるって聞いたことがあるけど、営農型太陽光発電設備も許可を受けているの?
耕一 営農
瑞穂 最近、近くの畑に太陽光パネルが立ったね。パネルの下で作物を育てているみたい。
耕一 それは「営農型太陽光発電設備」だね。
瑞穂 農地に建物を建てるには許可がいるって聞いたことがあるけど、営農型太陽光発電設備も許可を受けているの?
耕一 営農型太陽光発電設備の場合は、太陽光パネルを支える支柱部分の一時転用許可を得ることで設置できるんだよ。
瑞穂 どういった場合に許可されるの?
耕一 いろいろな要件があるけど、大事なポイントは大きく三つだね=図。2023年度までに全国で6137件が許可されているんだ。面積でいうと、約1362㌶あるよ。
瑞穂 意外と多いんだね! パネルの下ではどんな作物が作られているの?
耕一 最も栽培面積が広いのは、祭事などで使われる「サカキ」だよ。他にもブルーベリーや茶、ミョウガや米など、幅広く栽培されているよ。
瑞穂 パネルの下は日陰になりやすいよね。作物は問題無く育つのかな?
耕一 いい質問だね。栽培面積が広いサカキやミョウガは、日陰でも生育への影響が少ないのが選ばれている理由の一つなんだ。
瑞穂 でも米の生育には日光が重要って聞いたことがあるけど…。
耕一 米については、遮光環境下でも一定の収量をあげられることが確認できているみたいだね。それに、パネルの影が良い方向に働きそうなんだ。
瑞穂 どういうこと?
高温対策や売電収入、地域貢献も
耕一 近頃暑さが厳しくなっているよね。日陰ができることで、田の水温上昇が抑えられ高温障害の軽減に役立つとみられているんだよ。その他にも、作業者の熱中症防止や土壌の極度な乾燥を抑制できるとも言われているよ。
瑞穂 なるほど、そういうメリットもあるんだね。発電された電気はどのように使えるの?
耕一 売電して収入を得たり、ハウスの環境制御設備や照明など、自身の営農で電力が必要な場面で活用したりできるよ。千葉県匝瑳市では、台風による停電発生時に、地域のために無料充電所を開設した例もあるんだよ。
瑞穂 営農の助けになるだけじゃなくて、地域に貢献できる可能性もあるなんて一石二鳥だね。
耕一 ただ、良いことばかりではないんだ。発電設備数5167件のうち1221件で営農に支障が生じている。支障内容の7割は、営農者の栽培管理が不適当だったことによる単収減少や生育不良だというよ。
瑞穂 なんだか残念。改善してもらうことはできないのかな?
耕一 適切に営農していない場合は、転用許可権者から改善するよう指導が入るんだけど、従わない営農者がいて問題になっているみたいだね。
瑞穂 適切に営農することが前提で許可されているんだから、周囲の農家さんのためにもしっかり栽培管理をしてほしいね。
関係省庁が対応に動く
耕一 その通りだね。資源エネルギー庁は24年、営農を適切に継続していないなどの違反事業者への、再生エネルギー特措法のFIT・FIP交付金を一時停止する厳しい対応を取ったよ。また農水省は、25年から有識者や事業者を交えた「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」を開いて、営農型太陽光発電のあるべき姿を明確化しようと議論を重ねているよ。
瑞穂 関係する省庁が対策に乗り出しているんだね。ちなみに、農水省が明確化しようとしている「営農型太陽光発電のあるべき姿」って?
耕一 営農型太陽光発電の基本理念や、理念実現のために求められる設備の形状・形態を示そうとしているよ。地方公共団体がそれに沿って適否を判断できるようにするのがねらいみたいだ。
瑞穂 どんな内容になりそうなの?
耕一 例えばさっきの日陰の話でいうと、パネルによる遮光率を30%未満とすることが提案されているよ。現在栽培が盛んな、ミョウガのような日陰を好む作物が育てづらくなると反対する声もあるね。
瑞穂 これから先も地域・農業と共生し続けられる営農型太陽光発電であるためには、今のうちからしっかり議論しておくことが必要だね。








