Q自分らしく時代に合った経営をしたい A誰に・何を・どのように届けるかを考えよう
Q:先代から事業を引き継ぎ、自分らしく時代に合った経営をしていきたいと思っています。ただ、何をどう変えていけば良いのか分かりません。
回答者:神奈川・藤沢市 (株)みやじ豚 代表取締役社長 宮治勇輔氏
A:後継者がまず考えるべきなのは、「誰に・
Q:先代から事業を引き継ぎ、自分らしく時代に合った経営をしていきたいと思っています。ただ、何をどう変えていけば良いのか分かりません。
回答者:神奈川・藤沢市 (株)みやじ豚 代表取締役社長 宮治勇輔氏
A:後継者がまず考えるべきなのは、「誰に・何を・どのように届けるか」です。これを「事業の再定義」といいます。
家業を継ぐと、「何か新しいことをやらなければ」と焦る人は多いです。ただ、農業の場合、引き継いですぐに全く別の農作物を始めるケースは多くありません。産地では規模拡大が今でも王道です。一方で、先代から受け継いだ農産物や地域資源を活かしながら、〝価値の届け方〟を変えていく後継者は増えています。
私自身もそうでした。みやじ豚も、もともとは市場出荷が中心でした。しかし市場では、おいしさという最大の強みが十分に評価されない。価格も自分たちでは決められない。このままでは、どれだけこだわって育てても、単なる「豚肉」として扱われてしまうという危機感がありました。
そこで私は、「誰に届けるか」を変えました。市場に出して終わりではなく、飲食店や直接お客さまに届ける形へ。「何を売るか」も、単なる豚肉ではなく、〝おいしさ〟や〝生産者の想い〟、〝農園で過ごす楽しい体験〟を価値として伝えるようになりました。そして「どのように届けるか」も、バーベキュー、オンラインショップ、飲食店、銀座の百貨店への卸販売と広げていきました。さらに現在は、都内で飲食店経営にも挑戦しています。
養豚をやめたわけではありません。おいしい豚を育てるという本質は変わっていない。ただ、価値の届け方を変えたのです。
大切なのは、自分たちの強みを見失わないことです。先代が積み上げてきた技術や信用を土台にしながら、今の時代に合った形へ進化させていくこと。それが後継者の役割ですし、おもしろさです。
◇次回は7月17日付








