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愛知県内4市町で「未来の農地マップ」 活用地図可視化し農地集積や作業効率化

2026年04月24日
     
未来の農地マップは、農地の所在地など条件を入力(豊橋市提供)
該当の市町の地図が画面上に表示される(黄色が南知多町、だいだい色が蒲郡市、青色が豊橋市、緑色が田原市)(豊橋市提供)
申請からその後の流れ
Webサイトの二次元コード
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 農業者の高齢化や担い手不足が進む中、農地をどのように維持し、引き継いでいくかが課題となっている。愛知県豊橋市では農地の情報を地図上で可視化する「未来の農地マップ」を導入し、農地集積や地域計画の作成に活用している。現状と課題、そして新たな取

 農業者の高齢化や担い手不足が進む中、農地をどのように維持し、引き継いでいくかが課題となっている。愛知県豊橋市では農地の情報を地図上で可視化する「未来の農地マップ」を導入し、農地集積や地域計画の作成に活用している。現状と課題、そして新たな取り組みの実態について、市と市農業委員会に話を聞いた。



〇色分けで農地がひと目で判断

 豊橋市は農業が盛んな地域である一方、農業者の高齢化と担い手不足が進行。後継者不在による離農も増え、耕作放棄地の発生も懸念される。農地が小規模で分散していることから、担い手が効率的に農業経営を拡大することが難しいという。

 豊橋市産業部農業企画課の森本啓吾さん(39)はこれまでの農地情報の管理について、「担い手に農地を集める必要はあるが、農地の情報が整理しきれておらず課題を感じていた」と振り返る。こうした中、2026年2月に「未来の農地マップ」が導入された。

 同マップは、農地の位置や利用状況、貸し出し意向などを地図上で一元的に管理するもの。マップは農業者を問わず誰でも閲覧することができ、農地の状況の把握が可能だ。空中写真で測量などを手掛ける名古屋市の㈱中測技研が開発し、豊橋市の他に蒲郡市、田原市、南知多町でも導入している。

 導入の背景について森本さんは、「農業振興地域の地図、地域計画の目標地図、貸出売買意向地図の三つを一体的に扱える点が大きい」と話す。特に地域計画の策定が導入の大きな契機となったという。

 貸出売買意向地図の従前はWebマップを活用した情報管理だったが、運用面での制約もあった。利用者が紙の申請書で意向情報を提出し、職員が地図上にピンを立てる方式であったため、作業負担が大きかったほか、面積などの条件で検索する機能がなく、一覧表と照らし合わせながら手作業で探す必要があった。

 未来の農地マップは、農地を色分けして「面」で表示できる点が特徴。市農業委員会事務局の鈴木崇浩さん(30)は「従来のピン表示と比べて、面的に塗られることで貸出売買希望農地の集約状況が一目で分かるようになった」と話す。視覚的に把握しやすくなったことで出し手・受け手・事務局での情報共有も進み、農地利用の調整に関する議論がしやすくなった。農地台帳のデータも、農地台帳システムの「農業委員会サポートシステム」からダウンロードし、同マップに連携できる。意向を登録した申請者が直接マップに情報を入力できる仕組みとなったことで入力作業がなくなり、事務局の負担軽減につながった。

 農地のマッチングは、基本的に所有者と利用者の話し合いが中心となるが、農業委員や農地利用最適化推進委員、JAなども情報を共有する。市では25年度から運用している豊橋市ノウチマッチと未来の農地マップを連携させることで、より効果的な運用を進めている。



〇活用広がるようPR進める 地図機能拡張へ意見交換進める

 一般の農家などに同マップの普及も進める。現在は、Webサイトにつながる二次元コード(図4参照)を記載したチラシの配布をしている。農地の管理が難しい所有者に登録を促すほか、県の新規就農者向けホームページ「あいちから」での紹介や農業関連イベントでPRする。

 公開からこれまでにアクセス数は7221件、出し手(貸したい人、売りたい人)の申請件数は84件、受け手(借りたい人、買いたい人)の申請件数は31件と順調に伸びる。

 今後、利便性向上に向けた地図機能のさらなる拡張を豊橋市、田原市、蒲郡市の三市で意見交換を重ねながら検討していく。

 未来の農地マップのURLは下記を参照

 https://www.chusoku-giken.co.jp/nouchi-map/



〇議論の土台に使いやすい 農林水産省 東海農政局 秋葉一彦局長

 目標地図や意向の申請などが同一システムで縦覧でき、農業者だけでなく、市町の担当者にも扱いやすいシステム。地域計画で議論する土台として非常に使いやすい。

 今後、中山間地域でも活用できるよう作付けデータなどが共有できれば農地集約の促進につながるのではないか。


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