農地のあっせんや交流の場で就農希望者を住民らがサポート 富山市・神明地域おこし協議会
全国各地で農業の担い手不足が深刻化する中、富山県富山市の神明地区では、住民らが主体となって新規就農者の確保に乗り出している。活動をリードするのは「神明地域おこし協議会」。2017年にUターン就農した各川豊章さん(44)が立ち上げた組織だ。
全国各地で農業の担い手不足が深刻化する中、富山県富山市の神明地区では、住民らが主体となって新規就農者の確保に乗り出している。活動をリードするのは「神明地域おこし協議会」。2017年にUターン就農した各川豊章さん(44)が立ち上げた組織だ。農地や農機具をマッチングするほか、地域交流の場を積極的につくるなど、就農希望者をサポートする。
「ただ『来てほしい』と呼びかけるのではなく、地域で何をしてあげられるかを考えなければならない」――。そう話すのは同協議会の事務局長で発起人でもある各川さんだ。全国各地で農業の担い手が不足している昨今。新規就農者の確保に力を入れる地域や自治体は少なくない。そんな中で同協議会がめざしたのは、就農希望者に選ばれる地域づくりだ。
いつでも就農相談に応じられるようにまず取り組んだのは、貸し出し意向のある農地や農機具の情報収集。回覧板を使って全戸に呼びかけ、貸し出し意向があった農地はグーグルマップから誰でも閲覧できるようにするなど、情報を整理した。
営農環境も整備した。特産品であるカブ専用の共同洗浄設備を県内で初めて導入したほか、地元スーパーと交渉して若手農家専用の売り場も確保。ブランド確立に向けて地元小学校の児童らとキャラクター「かぶらん」も製作した。
こうした活動が功を奏し、25年4月の協議会発足以来、すでに3人が同地区で就農の準備を進めている。「人足」や「えさらい」といった地域の共同活動には各川さんらが付き添って参加。借り受けを希望する農地の草刈りをあえて任せるなど、地域住民と就農希望者が信頼関係を築けるような配慮も欠かさない。
各川さんは「経営が一本立ちするまでサポートしていく予定。こうした事例を積み重ねることで、さらなる就農希望者の呼び込みにつなげていきたい」と意気込む。
同協議会では地域を盛り上げる取り組みにも力を入れている。そうした活動のきっかけは22年、地元の小学校に統廃合の話が浮上したことだった。「このままでは地域に人がいなくなり、豊かな田園風景も失われてしまう」――。危機感を抱いた各川さんは若手農家数人で協議会の前身となる「神明を農業で盛り上げる会」を設立。芋掘り体験や田植え教室など、農業を通じて地域を活性化する活動を始めた。
会を協議会に発展させたのは「もっと多くの人に関わってもらいたい」という思いから。小学校のPTAや自治振興会など、農業と関わりがない人も構成員に加わったことで、より幅広い活動ができるようになった。今年1月には地区規模での餅つき大会を開催。約200人が参加するなど、大盛況に終わった。
各川さんは「地域がにぎわうことで新規就農者もなじみやすい環境が生まれる。また、子どもたちが地域に愛着を持てば、たとえ県外に出ても『いつか神明に戻って暮らしたい』という思いも芽生えるのではないか」と期待を込める。











