トマトの裂果対策技術を開発(愛知県農業総合試験場)



愛知県農業総合試験場は、高温環境下における効果的なトマトの裂果対策技術を開発した。果梗捻枝処理を白熟期とその3日後の2回行うことで、白熟期に1回のみ行う場合と比べて裂果発生率を20%ほど抑えられるというもの。10㌃当たりの
愛知県農業総合試験場は、高温環境下における効果的なトマトの裂果対策技術を開発した。果梗捻枝処理を白熟期とその3日後の2回行うことで、白熟期に1回のみ行う場合と比べて裂果発生率を20%ほど抑えられるというもの。10㌃当たりの収益も10万円以上向上した。作業は簡単で特別な機材も必要ないことから、生産現場への広がりが期待される。
果梗捻枝とは、主茎と果実をつなぐ果梗部をペンチなどでつぶして組織を破壊し、果実への養水分の流入を制御する手法のこと。トマトの裂果は、果実への養水分の流入が過剰になることで引き起こされるため、それを抑制する技術として知られている。
一方で、つぶした部分は数日で組織が再生し、養水分の流入が再開してしまう課題もあった。そこで同試験場は、白熟期に一度つぶした部分を3日後にもう一度つぶし、組織の再生を遅らせる試験を実施。8月定植の促成栽培において、第1果房から第3果房までの果実を9月下旬から10月下旬にかけて収穫し、裂果発生率や収益に及ぼす影響を調査した。
その結果、裂果発生率は捻枝1回区が29・9%だったのに対し、捻枝2回区では9・7%まで減少(無処理区は70・3%)。10㌃当たりの収益も捻枝1回区が64万円だったのに対し、捻枝2回区では75万9千円まで向上した(無処理区は27万2千円)。
トマトは、9~10月は夏秋産地と冬春産地の端境期で単価が上昇する。一方で、8月に定植する促成栽培は定植後の高温により着果数が少なく、近年は10月まで高温が続くことによる裂果の多発も収益悪化の一因となっていた。
果梗捻枝は1果梗当たりの処理時間が約6秒と短く、特別な機材も必要ない。農家が手軽に収益を改善できる技術として普及が期待される。
ただし、品種によっては果梗捻枝処理により果実が落下する可能性もあるため、生産現場で実施する際は、小面積で試してから始めることが望ましい。
同試験場では今後、生産現場や企業などと連携し、より省力的で効果の高い捻枝方法や専用器具の開発を行う予定としている。








