供給過小の現況を打開へ 飛躍的拡大図る概算要求
今年1~7月期の農産物などの輸出額は1兆423億円で前年同期比111%と伸びてはいるが、品目ごとの輸出数量、金額、単価などには▲(マイナス)が目立っている。
果実のうち、ナシは期間中4㌧輸出されたが、数量的には30%減った。絶好調といわれ
今年1~7月期の農産物などの輸出額は1兆423億円で前年同期比111%と伸びてはいるが、品目ごとの輸出数量、金額、単価などには▲(マイナス)が目立っている。
果実のうち、ナシは期間中4㌧輸出されたが、数量的には30%減った。絶好調といわれ、欧米諸国から引っ張りだこの緑茶は1082㌧輸出された。しかし数量的には3%減少している(財務省『貿易統計』に基づく)。
輸出数量が「落ちても単価が上がっている」(農水省筋)のがここ数年の傾向という。果実や茶ではそれが著しい。農政的にいえば〝機会損失〟につながっているということだが、国内での供給量が減ると単価は上昇し、自然と輸出量は減る。2025年通年でもリンゴ=▲29%、ブドウ=▲21%、モモ=▲16%など、果実は軒並み輸出金額が減少した。夏の猛暑で高級品がやられ、輸出に回せたのは中級品以下。単価が高い分、この程度の金額減で済んだが、数量は大きく減った。
来年度予算の概算要求で農水省は「果樹・茶生産飛躍的拡大事業」として31億円を新規に要求している。事業名に〝飛躍的〟としたのは「供給過小の現況を脱し、できるだけ早く供給能力の向上を図りたい」からに他ならない。「果樹の生産増大対策」に61億円、「茶・薬用作物等支援対策」に13億円なども要求している。
果樹も茶も収穫までには時間がかかる。そこで新しい農法を取り入れて大規模な改植、生産拡大に取り組む生産者を後押しする方針だ。小規模な改植でも大規模と平等に支援するのでは「供給過小状況を克服できない」。少々冷たい感じがしないでもないが、国際競争の厳しさを考えれば仕方ないのだろうか。
概算要求の締め切りが迫った8月下旬、鈴木憲和農相、赤澤亮正経産相が高市早苗首相と面談した。随行の事務方の顔ぶれからすれば首相が提唱する〝オールジャパンで外貨を稼ぐ〟に沿った農産物の輸出戦略について、理解と後押しを求めたのか。








