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事業承継相談Q&A

Q:先代の「やり方」をどこまで変えるべきか?

2026年05月22日

Q:先代から引き継ぎましたが、自分なりに変えていきたいと思っています。ただ、どこまで変えていいのか、その境界線が分かりません。


回答者:神奈川・藤沢市 (株)みやじ豚 代表取締役社長 宮治勇輔氏


A:まず確認しておくべきは、変えることが目的では

Q:先代から引き継ぎましたが、自分なりに変えていきたいと思っています。ただ、どこまで変えていいのか、その境界線が分かりません。


回答者:神奈川・藤沢市 (株)みやじ豚 代表取締役社長 宮治勇輔氏


A:まず確認しておくべきは、変えることが目的ではありません。なぜ、変えるのか。農業に限らず多くの後継者の事例を見てきましたが、一番多い理由は「既存のビジネスモデルへの危機感」です。先代のやり方をそのまま続けていたら、顧客が減っていく、差別化もできない、5年後には利益が出ていない。そういう現実が見えているからこそ、変えるのです。

 一方で、「自分の色を出したい」「実績をつくって認められたい」といった動機からの変革は、うまくいきません。先代からは大きな抵抗感とともに反対されます。社員にも見透かされます。企業で経験を積んで家業に戻ると、「このやり方は遅れている」と感じるのは自然ですし、焦りも出てきます。ただ、その焦りだけで動くと、空回りして孤立してしまうこともあります。

 私自身、みやじ豚のブランド化に取り組んだとき、同じ壁にぶつかりました。当時は市場出荷だけでした。しかしそれでは、おいしさという一番の強みが評価されない。価格も自分たちで決められない。このままでは続かないという危機感がありました。

 だからこそ、直販や飲食店との取引、自分たちで価値を伝える取り組みに踏み出しました。ただ当時は、そんなに売れるとも思われていなかったので、「ちゃんと現場を手伝え」と言われることもありました。それでも、小さく始めて結果を積み重ねていくことで、少しずつ見方は変わっていきました。

 ここで大事なのは、先代が守ってきたのは「やり方」ではなく、「農業を続けること」だということです。先代のやり方をなぞることが承継ではありません。家業を次の時代につなげる形に進化させていくこと。それが後継者の役割です。

◇次回は6月19日付

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