学校教育との連携をめざして① 信州大学・渡邉綾 助教
日本の農業の衰退が叫ばれて久しく、未来は明るいとは言い難い状況が続いています。こうした状況を打開すべく、生産以外の観点から農業・農村の意義や価値を捉え直す動きが進んできました。その一つが「教育」です。
高度経済成長のなかで急激に都市化が進
日本の農業の衰退が叫ばれて久しく、未来は明るいとは言い難い状況が続いています。こうした状況を打開すべく、生産以外の観点から農業・農村の意義や価値を捉え直す動きが進んできました。その一つが「教育」です。
高度経済成長のなかで急激に都市化が進行し、子どもたちが自然環境に触れ合う機会は減少していきました。そうしたなかで、農業・農村は子どもたちが身近な自然環境に触れ合う機会を提供する場として、教育的な意義や価値が注目されてきました。特に、農作業や農村生活、農産品加工などの体験を取り入れた学校での教育活動(農業体験学習)は、2000年代の調査によると、全国の公立小学校の約8割で実施されるなど、広がりを見せています(全国農村青少年教育振興会、2010、『農業体験学習のアンケート結果:小・中学校及び農業体験学習の効果調査等』)。
さらに、05年の食育基本法制定以降、日々の食への関心や、地域の食料生産の理解を育む観点からも農業・農村の教育的な期待が高まってきました。
しかし、教育の観点から注目が集まることで、農業・農村の未来が直ちに明るくなるとは言えないのが現状です。というのも、学校教育での農業体験学習では、農業・農村への理解の増進は期待できても、すぐに地域の次世代農業者の育成につながるわけではありません。また「理解ある消費者」という点でも、実際に経済活動を行うのは親などであり、子どもへの働きかけは間接的と言わざるをえません。その一方で、地域の農業者は減少し続け、農業体験学習の受け入れそのものが難しくなる事態も生じています。
読者の皆さまにも、地域の学校教育活動に積極的に協力している方もいらっしゃると思います。学校との関係づくりや子どもの変化を感じる一方で、何をどこまで協力できるのか、不安もあるのではないでしょうか。
本連載では学校での農業体験学習の全体動向・事例を手がかりに、農業と教育の持続的な連携のあり方を模索します。








