メルコスールとEPA交渉へ 農産物の市場開放を求めるか

2026年08月14日

 ブラジル、アルゼンチンなどで構成するメルコスール(南アメリカ南部共同市場)加盟国首脳は6月末までに日本との経済連携協定(EPA)交渉を開始することに合意した。


 メルコスールとの協定交渉は突然飛び出してきた感がするが、本格化は昨年3月、ブラ

 ブラジル、アルゼンチンなどで構成するメルコスール(南アメリカ南部共同市場)加盟国首脳は6月末までに日本との経済連携協定(EPA)交渉を開始することに合意した。


 メルコスールとの協定交渉は突然飛び出してきた感がするが、本格化は昨年3月、ブラジルのL・シルバ大統領の訪日に始まる。石破茂首相(当時)が対応し、6月フランスでのG7サミットでは高市早苗首相が同大統領との間でメルコスールとのEPA交渉に入ることで合意していた。


 両者の事務級による枠組み協議はすでに3回ほど行われている。


 メルコスールが求めるのは農産物市場のアクセス改善で、もう振る袖もないほどの日本にはさほど魅力ある経済地域のように見えないこともない。しかし見逃せないのはブラジルの石油供給力である。2025年の産出量で世界5位の地位を占めている。トップのアメリカの11%程度の規模だが、中東ホルムズ海峡封鎖で振り回されているわが国にとって確実な代替供給先になり得るのは容易に理解できるであろう。


 鈴木憲和農相はメルコスール域内の経済規模がGDPベースで3兆㌦(480兆円)に及ぶことから「農林水産物・食品の市場開拓先として有望」(6月22日)と発言しているが、輸出より輸入にかかる課題が交渉においてどう決着するかに目を向けるべきであろう。


 自民党のTPP等経済連携協定対策本部は、農産品重要5品目などへの配慮を求める提言書をまとめ、6月12日、江藤拓本部長が高市首相に提出している。慎重な姿勢での交渉が望まれる。

有料会員に登録すると会員限定の有料記事もお読みいただけます