飼料用米不足で悩む畜産農家 主食用米高騰で作付け切り替えが増加


「非主食用」全体が不足
瑞穂 飼料用米が足りなくなって、畜産農家さんが困っているんだって?
耕一 そうなんだ。知ってのとおり、2024年の夏ごろから主食用米の価格が上がり始めて、今も元の水準には戻っていない状況。当然、飼料用米などの非主食用米を
「非主食用」全体が不足
瑞穂 飼料用米が足りなくなって、畜産農家さんが困っているんだって?
耕一 そうなんだ。知ってのとおり、2024年の夏ごろから主食用米の価格が上がり始めて、今も元の水準には戻っていない状況。当然、飼料用米などの非主食用米を作っている生産者の中には、その分の作付けを主食用米に切り替える人も出てくる。非主食用米には米菓や酒の原料になる加工用米などもあるから、米菓メーカーや酒蔵なども困っているという話を聞くね。
瑞穂 実際、どのくらい非主食用米が足りていないの?
耕一 農水省が5月20日に示した26年産米の作付意向調査(4月末時点)によると、飼料用米は前年から作付面積が半減した25年産よりもさらに1.3万㌶減って、3.3万㌶だった。このままいくと、需要に対して最大で20万㌧不足すると見込まれている。その他にも、加工用米が3万㌧、新市場開拓用米が2万~4万㌧、米粉用米が4万㌧不足すると見込まれているんだ。
瑞穂 飼料用米の需要量はどのくらいなの?
耕一 農水省は30万~40万㌧と見ている。
瑞穂 最大で半分も足りなくなってしまうということね !? ところで畜産といってもいろいろあるけれど、どの畜種も影響を受けるものなの?
特に3畜種は影響大
耕一 特に影響が大きいのは、ブロイラー、養豚、採卵鶏の3畜種。24年度に配合飼料メーカーが使った飼料用米は105万㌧で、そのうちブロイラーが35万㌧、養豚が34万㌧、採卵鶏が27万㌧と、この3畜種で9割以上を占めている。
瑞穂 飼料用米はほかの原料では置き換えられないの?
耕一 いや、そんなことはない。家畜にとっての玄米の栄養価は、飼料原料として最も多く使われているトウモロコシとほぼ同等とされている。
瑞穂 それなら問題ないように感じるけど。
耕一 ところがそうではないんだ。その大きな理由がブランド化。国産米を飼料に混ぜることで、畜産物の差異化を図っている畜産農家は少なくない。今般の生産量減少によって、ブランド販売を中止せざるを得なくなった畜産農家も出てきてしまっているんだ。さらに、飼料を自家配合している一部の畜産農家では、すでに飼料用米の保管や粉砕にかかる設備に投資してしまっているという問題もある。
瑞穂 単に原料を置き換えればいいという話ではないのね。
支援強化を政策提言
耕一 こうした事態を重く見て、日本飼料用米振興協会は5月28日、27年度からの新たな水田政策で、飼料用米への支援を強化するよう求める政策提言を発表した。ピーク時には80万㌧生産されていた飼料用米の需要量を農水省が30万~40万㌧とみていることから、同協会は交付金の要件が厳しくなることを懸念している。また、今般、飼料用米から主食用米への作付け転換が進んだことを踏まえ、同協会は飼料用米の作付けが実質的な備蓄機能を果たしていることも主張していて、そうした食料安全保障の観点からも支援を強化すべきだとしている。
瑞穂 なるほど。国はどう考えているのかしら?
耕一 鈴木憲和農相は5月上旬、大規模稲作経営者と相次いで面会し、非主食用米の増産について協力を求めるなど、多様な米づくりを呼びかけている。また、5月29日の定例会見では、27年度以降の新たな水田政策について「畜産農家と耕種農家との複数年契約などを(交付金の)要件にすることにより、飼料用米が安定的に供給される仕組みを検討している」と話していた。
瑞穂 コスト高が深刻化しているから、しっかりと支援される仕組みができるといいわね。








