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ビデオ通話で家畜の診療ができる 遠隔診療サービス「アニマルック」

2026年03月27日
     
家畜農家と獣医師のやり取りも一目でわかる
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◎診療の効率化と獣医師の働き方

 改革を支援 畜産業を支える獣医師が地方で慢性的に不足するなか、獣医師の人手不足や移動負担は、畜産業の持続可能性に深刻な影響を及ぼしている。こうした課題に対し、遠隔診療サービス「アニマルック」は、診療の効率化と

◎診療の効率化と獣医師の働き方

 改革を支援 畜産業を支える獣医師が地方で慢性的に不足するなか、獣医師の人手不足や移動負担は、畜産業の持続可能性に深刻な影響を及ぼしている。こうした課題に対し、遠隔診療サービス「アニマルック」は、診療の効率化と獣医師の働き方改革を支援する新たな技術として注目されており、農林水産省より「2024年農業技術10大ニュース」に選定された。

 日本の畜産地帯では、獣医師が広大なエリアを担当するケースが多く、農場への移動だけで勤務時間の約3割を費やすこともある。診療所でも電話対応や記録作業といった業務が診療時間を圧迫しており、現場の非効率さが課題となっていた。アニマルックはこうした構造的な問題を解消するために開発された。

 獣医師は家畜農家からの診療依頼に対し、アニマルック上でビデオ通話を通じて診察を行うことができる。診療中に得られた情報は、クラウド上に履歴として保存でき、後日の参照や診療の引き継ぎにも活用可能である。また、PC・タブレット・スマートフォンを問わず利用できるため、場所も問わず外出先からでも業務が可能である。

 家畜農家は、LINEやWeb画面から診療予約を行うことができる。獣医師側が勤務時間や予定を設定しておくことで、家畜農家は診療希望日時を選択し、予約が成立すると自動で通知が送信される。家畜農家への通知はLINE・メール・SMSの3経路で送信され、見落としを防止する設計となっている。


◎全国81診療所で活用遠隔地に適切なケア

 提供開始から25年12月末までの約1年9カ月で家畜診療の実績は5500件(テスト利用含む)に達し、現在は全国81診療所で活用されている。移動時間の削減によって1人の獣医師が対応できる件数が増え、従来は診療が行き届きにくかった遠隔地の農場にも、適切なケアを届けられるようになりつつある。

 今後は遠隔診療に関する制度整備の動向を踏まえながら機能を拡充し、獣医師の働き方改革をさらに後押しする。アニマルックは1次産業全体のデジタル化を牽引(けんいん)するプラットフォームをめざしている。

 SBテクノロジー㈱ ソリューション営業本部 佐藤佑樹

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