農研機構 基腐病に強いサツマイモ2品種 加工用に利用でき収量が多い



サツマイモは焼酎やでん粉の原料、焼きいもなど幅広い用途に活用される。色素の一つアントシアニンを含む紫かんしょ(紫サツマイモ)は、ペーストやパウダーなどの加工原料のほか、揚げ菓子にも利用される。農研機構はこのほど、サツマイモ基腐病
サツマイモは焼酎やでん粉の原料、焼きいもなど幅広い用途に活用される。色素の一つアントシアニンを含む紫かんしょ(紫サツマイモ)は、ペーストやパウダーなどの加工原料のほか、揚げ菓子にも利用される。農研機構はこのほど、サツマイモ基腐病に強い二つの新品種「さくらほのか」と「Hai-Sai(はいさい)すいーと」を育成した。
同病は糸状菌(かび)に感染することで起こり、茎葉が枯死しイモ(塊根)が腐敗する病気で、生産に深刻な被害をもたらす。国内では2018年度に沖縄県、鹿児島県、宮崎県で初めて確認された。
▼さくらほのか
「さくらほのか」は、赤みを帯びた暖色系の鮮やかな赤紫の肉色が特徴。収量が多く、基腐病に対する抵抗性は「やや強」。揚げ菓子など加工用に利用することで、色鮮やかな新商品の開発が可能になる。裏ごしすることで、ペースト原料にも使える。
同機構は、アントシアニン組成の違いが肉色に及ぼす影響に着目。既存の紫サツマイモ品種「アヤムラサキ」や「ムラサキマサリ」と異なる色を持つ赤みを帯びた赤紫サツマイモの開発に取り組んできた。赤紫サツマイモの先駆けとなる「オリジンルビー」を育成したが収量が少なく、普及を推奨するまで至らなかった。蒸し芋の肉色は赤紫でアヤムラサキより収量、基腐病への抵抗性が優れ、安定して生産できる。
▼「Hai-Saiすいーと」
基腐病に強く、収量や食味に優れた青果用紅いもHai-Saiすいーとは栽培するうえで土壌を選ばないので、安定供給が期待できる。
紅いもは、沖縄県で栽培される紫かんしょの総称。美しい赤紫色と独特の甘さを持つことから紅いもタルトなどは加工土産品として人気が高く、インバウンド消費の拡大にも貢献している。基腐病の抵抗性は「やや強」。沖縄県で青果用として利用される既存の品種「沖夢紫」や「備瀬」より多収でいもの形状(外観)、揃いがよく、濃い紫肉色をして蒸しいも、焼きいもの食味がよい。ペーストなど加工適性に優れ、加工原料として利用できる。
1㌃当たり収量が「沖夢紫」の約2.8倍の282㌔、1株にできる紅いもの個数が4倍近くになる。沖縄県全域で26年から栽培が始まる予定で、4年後には30㌶の普及をめざす。








