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農業を化学するアグリとサイエンス 空からの抑止力~防疫現場の最前線~

2026年04月24日
     
4コマ漫画①
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〇効率的に追い払い防疫強化

 日本の農業・畜産分野では、野生鳥獣による被害が大きな課題となっている。イノシシやシカによる農作物被害に加え、カラスやハトなどの鳥類による食害や(ふん)害も各地で報告されている。さらに、野生鳥獣が家畜伝染病の病原

〇効率的に追い払い防疫強化

 日本の農業・畜産分野では、野生鳥獣による被害が大きな課題となっている。イノシシやシカによる農作物被害に加え、カラスやハトなどの鳥類による食害や(ふん)害も各地で報告されている。さらに、野生鳥獣が家畜伝染病の病原体を媒介する可能性も指摘されており、防疫体制の強化も求められている。

 従来の鳥獣害対策は、防護柵やネット、(わな)、巡回など地上での対策が中心である。しかし、広い農地や畜産施設では侵入経路の把握や継続的な監視が難しく、人手不足の中で対策の維持が課題となっている。加えて、広範囲を常時見守ることが難しいという現場特有の課題も指摘されている。



◎赤と緑の光で忌避反応

 こうした状況を踏まえ、NTT e-Drone Technologyは鳥獣害対策ドローン「BB102(Bird&Beast 102)」を開発した。本機はレーザー忌避装置を搭載し、鳥獣に対して赤色と緑色のレーザーをランダムに照射することで忌避反応を引き起こし、退避行動を促す。また、送信機上で飛行ルートを設定すれば、自動航行により上空から広範囲を巡回でき、鳥獣害の追い払いを効率的に実施することが可能だ。BB102の発売以降、鳥インフルエンザ対策として養鶏場周辺に飛来するカラスなどの侵入を抑止する目的で活用が進んでいる。



◎ドローンで包括的な対策へ

 さらに、意外な分野でも活用が進んでいる。例えば、海苔(のり)養殖に被害を与えるカモ対策や、工場・倉庫における鳥類の糞害対策など、漁業関係や製造工場での活用も広がっている。加えて、鳥獣被害を抱える自治体が主体となり、地域の農業・水産業・事業者を対象とした包括的な鳥獣害対策としてドローン活用を検討する動きも出てきている。

 ドローンによる空からの対策は、防疫や鳥獣害対策の新しいアプローチとして期待されている。従来は対策が難しかった分野にも適用の可能性が広がり、地域の多様な事業者に向けた新しいニーズを掘り起こす技術として期待が高まっている。

 NTT e-Drone Technology サービス推進部 木下幸太郎


◇次回は5月29日付

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