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日比谷花壇/TOWING/エフ・エフ・ヒライデ 花き産業の脱炭素化へ一石

2026年05月15日
     
宙炭を施用して土づくりからこだわった八重咲きのオリエンタルユリ(日比谷花壇・日比谷公園本店)
高機能バイオ炭「宙炭」
平出代表
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 ㈱日比谷花壇(東京都港区)と名古屋大学発ベンチャー企業・㈱TOWING(トーイング、愛知県名古屋市)は今年3月、ユリ類の切り花を周年生産する㈲エフ・エフ・ヒライデ(栃木県宇都宮市)と協力し高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を使うことで環境

 ㈱日比谷花壇(東京都港区)と名古屋大学発ベンチャー企業・㈱TOWING(トーイング、愛知県名古屋市)は今年3月、ユリ類の切り花を周年生産する㈲エフ・エフ・ヒライデ(栃木県宇都宮市)と協力し高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を使うことで環境負荷低減のユリを栽培、期間限定で販売した。宙炭は、土中に入れ炭素を固定することでハウス内などに排出された二酸化炭素(CO)の一部と相殺する。花き分野では初の活用で環境負荷を低減し、付加価値に転換する。 


バイオ炭で環境負荷を低減

 「芳醇な香りを放つユリの花が大気中の炭素を土に返す」――。バイオ炭は、もみ殻など生物由来資源(バイオマス)を高温・低酸素下で炭にしたもの。トーイングが農研機構の技術を加えて開発した高機能バイオ炭・宙炭は、未利用バイオマスを炭化して有用な土壌微生物群を複合的に培養・定着させた特殊な肥料だ。土づくり期間の短縮や堆肥の投入量低減、農地への炭素固定を通じて温室効果ガス(一酸化二窒素など)の排出を減らす。

 花き産業は生産から廃棄に至る過程で大量のエネルギーを伴い、脱炭素化の課題を抱えている。冬の加温が避けられない温室栽培において、宙炭を土にすき込むことで固定化された炭素と、暖房器具から排出するCOとで相殺する仕組みだ。

 昨年10月、12月にヒライデの土壌に計2080㍑の宙炭などを施用。約1万8千球のユリをテスト栽培し検証した。

 微生物の活性化を促す宙炭と、ヒライデの栽培技術の融合で植物本来の強さに環境価値が加わった高品質ユリの安定供給が可能となった。ユリ1本当たり約11.6㌘のCO削減効果が見込まれる。これはスマートフォンの充電2回分に相当するという。


見えない価値、栽培に組み込む

 「ユリの魅力を多くの人に」と挑戦を続けるエフ・エフ・ヒライデの平出賢司代表(51)は、温室面積1.67㌶で約60品種のユリ類を年間約100万本出荷する。

 温室に統合環境制御システムを導入、温度、湿度、照度を測定してミスト噴霧や遮光と保温カーテン、加温機などを制御して最適な環境を作り出す。データベース化した栽培履歴の運用と併用することで、年に3~4作の高い回転率を実現した。

 また、国内で初めて日持ち生産管理切り花(切り花JAS、日本農林規格)の認証を取得。消費者の強いニーズの「長持ちする切り花」を届ける。

 平出代表は「脱炭素という目に見えない新たな価値を栽培過程に組み込むことで、より環境に優しい美しいユリを届けたい」と話す。

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