育成者権管理機関立ち上げ 農産知財権の保護・活用へ
農産物などの優良品種が海外において無断で栽培されている状況を抑止し、逆に海外からの〝稼ぎ〟を増大する。こうした知的財産権の保護・活用をめざし、政府は遅くとも8月中に専門的に育成者権を管理する機関を立ち上げる。
これは6月16日に開かれた農
農産物などの優良品種が海外において無断で栽培されている状況を抑止し、逆に海外からの〝稼ぎ〟を増大する。こうした知的財産権の保護・活用をめざし、政府は遅くとも8月中に専門的に育成者権を管理する機関を立ち上げる。
これは6月16日に開かれた農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応などに関する関係閣僚会議で決まった。管理機関の設立によって農水省は『優良品種の適切な管理』『産地化・ブランド化』『競争力の高い新品種の開発』など、サイクル体制の確立をめざす。
同22日、愛媛県の中村時広知事が鈴木憲和農相を訪れ、同県が独自に開発した柑橘「〝紅プリンセス〟の中国への流出が疑われている事案に関して、実態把握と今後の対策への支援」(農相・記者会見)を要請した。
紅プリンセスは「中国に品種登録出願中」ではあるが「優良品種が海外に流出し、海外で栽培が広がった場合、輸出機会の喪失、海外ライセンス収入の逸失による損失が生じる」と農相も強い危機意識を表明している。また海外流出したシャインマスカットの例を挙げ「許諾料換算で年間200億円になる」と流失に伴う経済的逸失の大きさにも言及している。
関係閣僚会議は本来がわが国から輸出する農産物・食品についての輸入国側の規制について対応を協議する場である。しかし、輸出でいくらがんばってもそれをあざ笑うように優良品種がどんどん流出し、得られるべき利益が失われたのでは品種改良・開発への基礎体力は備えられない。やっと重い腰を上げ、政府一体での取り組みにまでベースアップされた感が強い。
育成権管理機関で気になるのは一体誰がこれを運営していくのかという点。シャインマスカットでの経緯を見てきたためか、躊躇する雰囲気が強くなかなか手が挙がらないようである。関税交渉とは異なる海外との新たな戦い。知的財産の保護・活用へ官民一丸での取り組む時が来ている。








