見えてきた新たな水田政策 収量に応じた面積払いで支援




2027年度から開始する新たな水田政策。自民党の提言から全体像=図1=を概観する。
水田活用の直接支払交付金(水活)=図2=は、水田・畑にかかわらず収量に応じた支払いに切り替える。
非主食用米(加工用・米粉用・輸出用など)は、効率的施肥や
2027年度から開始する新たな水田政策。自民党の提言から全体像=図1=を概観する。
水田活用の直接支払交付金(水活)=図2=は、水田・畑にかかわらず収量に応じた支払いに切り替える。
非主食用米(加工用・米粉用・輸出用など)は、効率的施肥や高温耐性品種の導入など生産性向上の取り組みに対し、10㌃当たりの収量に応じた単価(単収が上がれば支援単価も上昇する仕組み)により支援する。さらに、直播や再生二期作など、より大きく生産性向上に挑戦する取り組みを実施すると、その分の支援を同時に受けることができる。
これまで定額単価だった麦・大豆、飼料作物も、収量に応じた面積払いに見直す。麦・大豆は適切な輪作体系や団地化、ブロックローテーションの構築を進めつつ、排水対策などの基本技術や多収品種の導入などに取り組むこと、飼料作物は作物に適した栽培条件の改善や生産性の高い奨励品種の利用促進などに取り組むことが要件。
外国産米の輸入が増えている業務用米は当面、単収向上などの支援を検討する。直播や再生二期作など、より大きく生産性向上に挑戦する取り組みに対し、収量に応じた面積払いで支援する。
米の生産性向上支援は、需要に応じた生産に向けて、実需者との事前契約を要件とする。支援単価は米の用途によらず一律とするが、販売価格が低い米粉用米と飼料用米は別途、追加で支援する。
単収向上は、地域差に配慮して作柄表示地帯別の単価を基準とするほか、災害などやむを得ない事情による単収減にも配慮する。地域の平均単収を一定以上下回る場合は支援の対象外となる。
特色生かせる産地交付金へ
産地交付金は水田・畑にかかわらず地域の特色を生かした産地形成が効果的に促進されるように、支援の効果を評価できる定量的な目標を設定する。また、その評価・検証を踏まえて支援内容を随時見直す。
その際、客観的指標に基づき配分を透明化した上で、将来的には目標の高さやその達成度合いを配分に反映することを検討する。
中山間・多面的は国による関与強化
中山間地域等直接支払は、法面管理や圃場条件など傾斜によらない不利性を有する農地について、営農や共同活動の継続に必要な場合、協定農地に位置付ける。また、さらなる地方負担の軽減策を検討する。
多面的機能支払は、外部人材の確保や先進技術の活用による作業の省力化、長期中干しなどの取り組み拡大に向け、活動組織のやる気が高まるよう支援を見直す。
さらに両支払の共通事項として▽国が都道府県・市町村とともに、地域計画の見直しとも連携しつつ集落への関与を強化▽高齢や病気などやむを得ない事情がある場合は遡及返還が不要になるなど返還免除規定の徹底▽両支払をまとめて申請できるなど一体的実施――などを進める。
新たな環境直接支払を創設
環境直接支払は、これまでの地域支援から、みどりの食料システム法の計画認定に基づく農業者支援とするほか、農法の転換・拡大時の掛かり増しコストに加え、減収などの導入リスクも軽減する支援とする。同一圃場での同一の取り組みへの支援は5年まで。
現場から懸念の声も
生産現場からは次期水活について「畑も支援対象に加わるため、単価水準が下がるのではないか」「周囲と異なり、どれだけがんばっても条件的に生産性向上が見込めない圃場の場合どうなるのか」といった不安の声が上がっている。新たな環境直接支払について、最長5年の支援期間を延長してほしいとの要望も農水省に寄せられている。
交付単価など具体的な制度設計は27年度予算編成過程の中で検討される。必要となる予算の確保を含め、農政の重大局面は今後も続く。








