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施設利用者に最高の一口届ける 兵庫・姫路市 あかね農園

2026年10月02日
     
収穫を目前に控えたイチジク(写真の一部は同農園提供)
濃厚な甘さを持つ果肉
1年前まで耕作放棄地だった同農園の圃場
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 高齢者福祉施設などを運営する社会福祉法人あかね(兵庫県尼崎市)が、2011年に設立したあかね農園(同姫路市)。「施設を利用する高齢者に最高の一口を届ける」を合言葉に、20品目以上の野菜や果物を有機肥料のみで栽培する。設立から15年が経過し、経営面積は約5㌶まで拡大。地域では耕作放棄地も目立ち始めている中、農地の受け皿としても大きな役割を果たしている。


安心・安全と食の楽しみ提供


 「安心・安全な農産物を利用者に提供したい」――。そんな思いであかね農園は設立された。すべての作物を農薬に頼らず有機肥料のみで育てる。多くの品目を手がけるのは、施設で使う食材をできるだけ自給したいという思いから。今では施設で提供する約8万5千食分(年間)の食材の7割近くを自給できるまでになった。


 「人生最期の瞬間まで〝食〟を楽しんでもらいたい」――。これも農園を立ち上げた理由の一つだ。日常の食事に加え、収穫したての野菜を味わってもらう試食会なども開催する。農園スタッフの吉川慎二さん(28)は「利用者には元々農家だった方も多く、農園での作業の様子なども伝えると、とても喜んでもらえる」と笑顔で話す。


 施設で使いきれない農産物は、経営する直売所やオンラインで販売している。特に人気なのがイチジクの希少品種「ビオレソリエス」。濃厚な甘みと、とろけるような食感が特徴だ。イチジクは70代後半以降の世代には馴(な)染(じ)みが深い果物で、咀(そ)嚼(しゃく)・嚥(えん)下(げ)機能が低下しても食べやすいなど、施設利用者からも好評。現在、栽培面積は40㌃ほどだが、さらなる拡大も視野に入れている。


土壌にこだわり作物栽培


 農薬や化学肥料を使わない代わりに、土壌にはこだわってきた。ハウスではトマトや葉物などの野菜を高設栽培で育てているが、そのベッドにはあかね農園専用の土を敷いている。同法人介護・農園事業部長の東岸真さん(52)は「土壌メーカーの方に農園まで来てもらい、環境や栽培方法に合わせて成分設計してもらったもの。健康に育つ秘訣です」と話す。


 この土は露地栽培にも役立っている。ハウスで役目を終えたものを露地の圃場まで運び、土づくりに生かしているのだ。管理する圃場はほとんどが耕作放棄地だったものだが、土を入れることで1年目から作物を収穫できるという。吉川さんは「運搬など大変な面もあるが、当農園の野菜づくりには欠かせない作業」と話す。


 今後は経営面積を2倍の10㌶ほどまで広げることが目標。そのためには、現状2割ほどとなっている施設外への販売をいかに伸ばしていくかが課題だ。東岸さんは「加工品開発にも試験的に取り組んでいるところで、事業の柱として確立させたい」と意欲を見せる。

 高齢者福祉施設などを運営する社会福祉法人あかね(兵庫県尼崎市)が、2011年に設立したあかね農園(同姫路市)。「施設を利用する高齢者に最高の一口を届ける」を合言葉に、20品目以上の野菜や果物を有機肥料のみで栽培する。設立から15年が経過し、経営面積は約5㌶まで拡大。地域では耕作放棄地も目立ち始めている中、農地の受け皿としても大きな役割を果たしている。


安心・安全と食の楽しみ提供


 「安心・安全な農産物を利用者に提供したい」――。そんな思いであかね農園は設立された。すべての作物を農薬に頼らず有機肥料のみで育てる。多くの品目を手がけるのは、施設で使う食材をできるだけ自給したいという思いから。今では施設で提供する約8万5千食分(年間)の食材の7割近くを自給できるまでになった。


 「人生最期の瞬間まで〝食〟を楽しんでもらいたい」――。これも農園を立ち上げた理由の一つだ。日常の食事に加え、収穫したての野菜を味わってもらう試食会なども開催する。農園スタッフの吉川慎二さん(28)は「利用者には元々農家だった方も多く、農園での作業の様子なども伝えると、とても喜んでもらえる」と笑顔で話す。


 施設で使いきれない農産物は、経営する直売所やオンラインで販売している。特に人気なのがイチジクの希少品種「ビオレソリエス」。濃厚な甘みと、とろけるような食感が特徴だ。イチジクは70代後半以降の世代には馴(な)染(じ)みが深い果物で、咀(そ)嚼(しゃく)・嚥(えん)下(げ)機能が低下しても食べやすいなど、施設利用者からも好評。現在、栽培面積は40㌃ほどだが、さらなる拡大も視野に入れている。


土壌にこだわり作物栽培


 農薬や化学肥料を使わない代わりに、土壌にはこだわってきた。ハウスではトマトや葉物などの野菜を高設栽培で育てているが、そのベッドにはあかね農園専用の土を敷いている。同法人介護・農園事業部長の東岸真さん(52)は「土壌メーカーの方に農園まで来てもらい、環境や栽培方法に合わせて成分設計してもらったもの。健康に育つ秘訣です」と話す。


 この土は露地栽培にも役立っている。ハウスで役目を終えたものを露地の圃場まで運び、土づくりに生かしているのだ。管理する圃場はほとんどが耕作放棄地だったものだが、土を入れることで1年目から作物を収穫できるという。吉川さんは「運搬など大変な面もあるが、当農園の野菜づくりには欠かせない作業」と話す。


 今後は経営面積を2倍の10㌶ほどまで広げることが目標。そのためには、現状2割ほどとなっている施設外への販売をいかに伸ばしていくかが課題だ。東岸さんは「加工品開発にも試験的に取り組んでいるところで、事業の柱として確立させたい」と意欲を見せる。

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