農研機構・井関農機 高湿材適応コンバインを開発
稲刈りの季節。暑くない時間帯に作業したいと思うのが人情だろう。
農研機構と井関農機㈱は、2023年から25年まで農業機械技術クラスター事業を活用した高湿材コンバインを開発した。
現状のコンバインは朝霧や朝露の付いていない午前10時から午後
稲刈りの季節。暑くない時間帯に作業したいと思うのが人情だろう。
農研機構と井関農機㈱は、2023年から25年まで農業機械技術クラスター事業を活用した高湿材コンバインを開発した。
現状のコンバインは朝霧や朝露の付いていない午前10時から午後4時の作業を推奨されている。しかし、担い手の生産規模の拡大によってコンバイン1台当たりの作業面積は拡大。加えて昨今は、熱中症対策を取りながらの作業を求められる。これらを踏まえて適期収穫を行うため、推奨されていない雨天後や朝露の付いているときに収穫せざるを得ないことも増えた。
高水分状態の稲を収穫する場合、コンバインの脱穀選別損失の増加や作業効率の低下が問題となる。そこでコンバイン1日当たりの作業面積の拡大と夜露などで影響を受けた水稲に適応性のある高湿材コンバインの開発がスタートした。
高湿材適応コンバインの大きな特徴の一つ目は、脱穀選別損失を3%以内に抑えるために車速(作業速度)を自動制御する機能を設けていることだ。
圃場ごとに基準となるデータを取り、最高車速に制限をかけることで、穀粒水分が25%以上の高水分水稲でも脱穀選別損失を抑えた作業が可能だ。開発時の圃場試験では、車速制御をして作業した場合、制御しない場合よりも脱穀選別損失を3分の1程度まで低減、作業可能面積も作業時間が増やせることから、約3割拡大する結果が得られた。
二つ目は、滞留防止装置の搭載だ。これは圧縮空気を用いることで、揺動選別機構およびグレンタンクにおける濡れた整粒などの滞留の抑制を可能とするもの。圃場試験の結果、グレンタンクは、穀粒水分が25%以上の高水分条件下であっても、滞留は発生せず、標準装備の振動式滞留防止装置の効果で十分という結果が得られた。
一方で揺動選別機構グレンパンは、コンバインにエアーノズルを新設し、圧縮空気によるクリーニング機能を搭載して試験を行った。クリーニング機能は、グレンタンク排出時に実施し、トラックの荷台などに積載したコンプレッサーから圧縮空気を送る。
その結果、穀粒水分が25%以上の高水分条件下で装置を稼働させた場合とさせない場合と比較し、グレンパン上の機内残重量が4割程度減少する傾向がみられ、装置の有効性が確認された。
これらの研究を活かし、井関農機が、車速制御機能を実装したコンバイン(滞留防止装置は未搭載)を今年12月に発売予定だ。









