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農業と土地政策

中東危機と肥料そして生ごみのコンポスト化

2026年04月24日

 農水省の発表によると、日本では主な化学肥料の原料である尿素、リン安(リン酸アンモニウム)、塩化加里(塩化カリウム)は、ほぼ全量を輸入している。輸入の主な相手国は、尿素はマレーシア、リン安は中国、塩化加里はカナダに偏在している。

 しかも尿素

 農水省の発表によると、日本では主な化学肥料の原料である尿素、リン安(リン酸アンモニウム)、塩化加里(塩化カリウム)は、ほぼ全量を輸入している。輸入の主な相手国は、尿素はマレーシア、リン安は中国、塩化加里はカナダに偏在している。

 しかも尿素肥料は中東の天然ガスを使用してつくられるなど、いずれも今回の中東危機により輸入に大きな影響を受けている。日本の食料自給率はカロリーベースで38%とアメリカの101%やフランスの118%などに比べて極端に低いが肥料自給率はほぼ0%である。

 従って畜産振興による農業肥料へのリサイクルの促進に加えて、飲食店や家庭から出る生ごみを焼却処分からコンポスト化に転換して肥料の自給率を少しでも高めることが重要となる。そのために効果的な政策と市民の協力が不可欠だ。

 日本のごみ収集は世界で一番と言ってよいくらいきめ細かく行われている。欧米のたいていの都市では、街角に大きな鉄製やプラスチック製のボックスがいくつか置いてあって、リサイクルできるもの、埋め立てするほかないもの、生ごみなど、3~5分類が基本である。リサイクルできないものはそのまま埋めている国が多い。日本のように焼却する国は滅多にない。

 だから日本人から見るとヨーロッパやアメリカのごみ処理は大雑把(ざっぱ)で驚くが、逆に彼らから見ると日本のごみ処理が生ごみを焼却してしまうのが奇異に写る。

 生ごみボックスに油や塩分が入った調理済み食品くずを入れられると農業用の堆肥として使用できない。だが地域や会社の社員食堂によってはきめ細かく分別して農業用堆肥をつくっている場合もある。

 この点について日本の自治体関係者は「そんな分別は無理」と言う。だが紙ごみを、新聞・広告チラシ・本や雑誌・燃やすごみ・段ボールなどと細かく分別している地域や会社が、生ごみを分別できないはずがない。

 いきなり農業用堆肥をつくれないにしても、まずは道路並木や公園並木あるいはベランダを含む自宅の植木に自家製堆肥を活用するシステムづくりに挑戦したらどうかと思う。

◇次回は5月29日付

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