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自衛官らが「農業自衛隊」結成 農作業を支援し食と地域を守る

2026年07月17日
     
そろいのTシャツを着て作業を行う隊員
背中には「農衛」の文字
松上さん
力仕事はお手の物
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 現役の自衛官らが立ち上げた「農業自衛隊」が、各地で活躍している。「人手不足に悩む農家を支援し、日本の食と地域を守りたい」――。そんな思いで結成された組織だ。隊員らは週末を利用して農家に出向き、田植えや稲刈りなどの農作業に従事。他業種より定

 現役の自衛官らが立ち上げた「農業自衛隊」が、各地で活躍している。「人手不足に悩む農家を支援し、日本の食と地域を守りたい」――。そんな思いで結成された組織だ。隊員らは週末を利用して農家に出向き、田植えや稲刈りなどの農作業に従事。他業種より定年が早い自衛官は再就職を必要とする人も多く、就農への足がかりにすることも視野に活動を広げている。


 「陸・海・空に続いて、〝農〟を守る〝第4の自衛隊〟として活動しています」――。元自衛官で代表の松上信一郎さん(50)は笑顔でそう話す。農業自衛隊を立ち上げたのは2025年1月。千葉県や神奈川県を中心にすでに50回以上出動し、農家を支援してきた。


 設立のきっかけは、24年秋。当時現役の自衛官だった松上さんは定年後の再就職を見据え、千葉県多古町で開かれた農業関係のセミナーに参加した。そこで知ったのが、深刻な人手不足に悩む農業の現状。「このままでは日本の食が守れなくなると危機感を抱いた。農作業も体験させてもらったことでより〝自分ごと〟として捉えるようになり、力になりたいと考案したのが農業自衛隊だった」と振り返る。


 立ち上げにはもう一つ「思い」が込められている。自衛官の再就職先として「農業を選択肢の一つにしたい」というものだ。自衛官の定年は平均56歳と早く、再就職の道を模索する人も少なくない。その一方で、農業を含む一次産業を再就職先に選ぶ人は、わずか1%ほどにとどまる。


 松上さんは「自衛官は体力があり、機械の操縦に慣れている点でも農業と親和性がある。ただ、就農はハードルが高いのが現状。農業自衛隊として活動することで多くの農家さんとつながりができ、就農への道も開けてくると考えている」と期待を込める。


 農業自衛隊が忙しくなるのは、主に農繁期。松上さんがさまざまなセミナーに参加して知り合った農家やSNSでつながった農家のニーズと、隊員のスケジュールが合致した日が活動日となる。隊員として活躍するのは、現役自衛官や退官した自衛官だけではない。同じ志を持った会社員なども多数参加する。松上さんは「生産者と消費者の距離が離れてしまっていることが、日本の食を守っていく上で問題だと思っている。この活動に多くの人を巻き込むことで、その現状を変えていきたい」と話す。


 農業自衛隊の普及にも力を入れる。松上さんが信頼する元部下などに声をかけ、北海道や福岡など全国6カ所に「地域隊」が誕生。すでに各地で活動を始めている。「自衛官は国を守るために日々活動しているので、深刻な状況にある日本の農業を救いたいと志す者も少なくない」と松上さん。47都道府県に地域隊を作ることが目標だ。


 農業自衛隊の活動に専念するため、定年より一足早く、今年の6月に退官した松上さん。「農業だけでなく、漁業や地域自治でも同じような問題を抱えている。農業自衛隊を一つのプラットフォームとして確立することで、さまざまな分野に展開することも考えていきたい」と意欲を見せる。

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