観光客が私有地に侵入 旅行者数の増加で問題に
今月はオーバーツーリズムに関する問題を取り上げます。
オーバーツーリズムとは、UNWTO(国連世界観光機関)によれば、「観光地やその観光地に暮らす住民の生活の質及び訪れる旅行者の体験の質に対して、観光が過度に与えるネガティブな影響」をいい
今月はオーバーツーリズムに関する問題を取り上げます。
オーバーツーリズムとは、UNWTO(国連世界観光機関)によれば、「観光地やその観光地に暮らす住民の生活の質及び訪れる旅行者の体験の質に対して、観光が過度に与えるネガティブな影響」をいいます。
2025年の年間訪日外国人旅行者数は4268万人で、前年比で15.8%増え、過去最高であった24年の3687万人を580万人以上も上回り、記録を更新しました。
訪日外国人旅行者の増加により、各地の観光地がにぎわう一方で、公共交通機関の混雑や交通渋滞、一部の旅行者の私有地への無断侵入や路上などでのゴミのポイ捨てなどのマナー違反が発生し、観光地の地域住民の生活への悪影響や、景観の破壊、旅行者の満足度の低下などが問題となっています。
国や自治体などは、看板設置やSNSの発信などによるマナー啓発や、混雑する地域への入域料の徴収、混雑状況の可視化による分散などの対策を講じていますが、オーバーツーリズムを十分に防止することは難しいのが現状です。
例えば、一部の人気スポット周辺では、観光客が、私有地である農地に侵入し記念撮影をしたり、遊んだりするなどの迷惑行為が後を絶たないようです。
このような行為は、軽犯罪法が定める「立入禁止場所等侵入の罪」や、場合によっては刑法が定める「建造物(住居)侵入罪」に該当し得る違法な行為であるといえます。
軽犯罪法1条32号は、立入禁止の土地や建物等又は他人の田畑に正当な理由(例えば災害や人命救助など)なく立ち入った者を拘留又は科料に処すことを定めています。また、刑法は、侵入する場所が住居その他の建造物又はその周囲のうち塀などで囲まれた部分である場合は、建造物(住居)侵入罪として処罰することを定めています。
このような行為がなくなり、観光客と住民が共存できることを切に願うばかりです。
次回は、民泊において突然に宿泊をキャンセルされた場合の法律関係についてご説明します。
◇次回は6月19日付








