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温暖化で変わる果樹の栽培適地~国産アボカドが急増する世界が来る?~

2026年07月24日
     
国産アボカドの主力品種「ベーコン」
クスノキ科のアボカドは大木になる
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 温暖化は農業に大きな悪影響を与えています。果樹生産でも、果実の着色不良や日焼け、発芽不良の発生など、挙げればきりがありません。水稲や主な野菜は北海道から九州まで広い範囲で育てられますが、果樹はそうはいきません。栽培に適した温度範囲が限られ

 温暖化は農業に大きな悪影響を与えています。果樹生産でも、果実の着色不良や日焼け、発芽不良の発生など、挙げればきりがありません。水稲や主な野菜は北海道から九州まで広い範囲で育てられますが、果樹はそうはいきません。栽培に適した温度範囲が限られ、リンゴは北日本、ミカンは西南暖地が主産地となっています。こうした中で、温暖化は栽培可能な地域が移動する可能性があります。果樹は一度植えると数十年は同じ()で生産を続けるため、長期的な適地の変化を予測することは重要です。


 ◎温暖化のもたらす新たな可能性

 温暖化の影響により、冬でも気温が上昇しています。たとえば茨城県は甘ガキ栽培の北限に近い場所なので、寒い年に渋みが抜けにくいことがありました。しかし最近では、こうした問題はあまり聞かれなくなりました。また、近年は酸味を苦手にする人が増えているといわれますが、気温が高いと果実の酸が減りやすくなるため、甘く感じやすくなります。

 さらに温暖化により、これまで日本ではあまり作れなかった作物の栽培可能性が広がります。例えば亜熱帯果樹では、タンカンやシークワーサーなどの亜熱帯性カンキツ類のほか、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、ライチ、アボカドなどが挙げられます。現在、これらの生産の多くは鹿児島県南部の島々や沖縄県などに集中しています。


 ◎アボカドの栽培が可能な地域の拡大

 亜熱帯果樹の中でも、アボカドは多くを海外から輸入しており、自給率は1%にも届きません。しかし温暖化が進むと、九州や四国、本州の暖かい地域でも栽培が可能になると予測されています。私たちの研究では、2050年ごろにはアボカドの栽培が可能な地域の面積が、今の3倍程度まで急増すると試算しています。

 実際に九州や四国などの一部の生産者で、アボカド栽培の取り組みが始まっています。しかしながら、現状ではまだ、寒害などで収量が安定しないといった課題があります。今後、日本に適したアボカド栽培の技術を確立することで、国産のアボカドを安定して生産できると期待されます。かつてミカンも寒さを克服するように対策して栽培が広まったように、温暖化をうまく利用することで、新しい果樹産地が広がる可能性があります。



農研機構果樹茶業研究部門研究推進室 主席研究員 杉浦俊彦


◇次回は8月28日付

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